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社説
8月25日付  異常気象   早めの安全確保が命救う  
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 豪雨に猛暑、竜巻、落雷など、日本列島は「異常気象」ともいえる天候不順に見舞われている。
 
 関東や東北地方では記録的な長雨と日照不足が続き、農作物の生育不良など影響が深刻だ。
 
 中でも憂慮すべきは、大きな被害を生む集中豪雨やゲリラ豪雨である。気象庁によると、1時間に50ミリ以上の大雨が降る頻度は、1970~80年代に比べて3割以上も増加しているという。
 
 雨の降り方が局地化、集中化、激甚化していると言っても過言ではない。異常気象が珍しくない時代に入ったということだ。
 
 本格的な台風シーズンが到来している。厳しい残暑もしばらく続きそうだ。
 
 激しさを増す近年の異常気象に、的確に対応した備えを怠らないようにしたい。
 
 7月に九州北部を襲った集中豪雨は、線状降水帯と呼ばれる帯状に連なった積乱雲がもたらした。茨城県で鬼怒川の堤防が決壊するなどし、多くの犠牲者を出した2015年の関東・東北豪雨も、線状降水帯が原因だった。
 
 しかし、大雨を降らせる積乱雲がいつどこで発生し、どのように流れていくかを予測するのは、現在の予報技術では難しいとされる。九州北部豪雨でも、正確な予測はできていなかった。
 
 徳島県内はもとより、集中豪雨は日本のどこでも起こり得る。最新の気象情報に注意しながら、早め早めに安全を確保する行動を取っていくことが肝心である。
 
 国や自治体は、気象や災害に関する情報をきめ細かく出すようになってきた。ただ、用語の種類や情報量が必要以上に多く、複雑になり過ぎてはいないか。
 
 いくら詳細な情報を出しても、住民が混乱するようでは元も子もない。国や自治体はよりシンプルで分かりやすい情報発信の在り方を検討してもらいたい。
 
 住民に早い段階での避難を促すには、災害時に行政が取るべき行動や、避難の手順を時系列でまとめた「タイムライン」の作成など、ソフト対策の強化もしっかりと進めていくことが大切だ。
 
 九州北部豪雨は、全国の中山間地にとって極めて重大な課題も浮かび上がらせた。戦後、大量に植林されたスギやヒノキが、土砂もろとも下流域の住宅を直撃し、川をせき止めるなどして被害を拡大させたことだ。
 
 徳島県内にも注意を要する箇所は少なくないだろう。森林の保水機能を高めるための山の手入れは行き届いているのか。現状を再点検し、効果的な対策を急がなければならない。
 
 一方、被災した乳幼児や高齢者、障害者らの多様なニーズに応えるには、避難所運営に女性の視点が欠かせない。災害弱者が取り残されてしまわないよう、育児や介護に精通した女性リーダーを育てていきたい。

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