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社説
8月27日付  徳島道バス事故  16人死傷はなぜ起きた  
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 何とも痛ましく、やり切れない事故が起きた。

 鳴門市大津町大幸の徳島自動車道下り線で、故障のため路肩に停車していたマイクロバスに、大型トラックが追突した。バスの運転手と乗っていた女子高校生1人が亡くなり、14人が重軽傷を負った。

 突然の事故で肉親を失った遺族の気持ちは、察するに余りある。心からお悔やみを申し上げたい。

 事故現場の状況は、衝突のすさまじさを物語っている。追突されたバスはガードレールを突き破って土手の斜面に転落し、横倒しになった。車体の後方は無残にもつぶれている。

 なぜ、こんな大事故が起きてしまったのか。自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで現行犯逮捕されたトラック運転手の容疑者は、徳島県警の調べに対して「前をよく見ていなかった」と供述している。

 県警は前方不注視の原因を調べている。捜査関係者によると、衝突現場の路上にはトラックのタイヤ痕が残っていたものの、明確なブレーキ痕は確認されていない。

 事故に至った経緯を徹底的に究明する必要がある。

 トラックは、松山市の運送会社が運行しており、容疑者は愛知県小牧市から松山市に戻る途中だった。生活雑貨などの積み荷に過積載の違反はなく、県警は、業務や安全管理の状況についても関係者から事情を聴く方針である。

 バスに乗っていたのは、富岡西、城西、徳島北、鳴門渦潮、小松島の五つの高校の生徒13人と保護者らで、神戸市の専門学校のオープンキャンパスに参加した帰途だった。

 亡くなった富岡西高1年の女子生徒について、教頭は「将来へ夢を広げる活動の中で命をなくしたことは痛恨の極みだ」と話した。

 まだ15歳。人生の花をこれから咲かそうという矢先に、不慮の事故で命を落としたことが、惜しまれてならない。

 車外に出ていて即死した運転手は、関西の大手バス会社で路線バスの運転手を務めた経験があり、真面目で優秀なドライバーだったという。

 重軽傷を負った高校生らのことも案じられる。バスの中で飛び散ったガラスの破片を浴びてけがをし、目の下を縫った生徒もいる。

 生徒たちが受けた精神的なショックは大きいだろう。心のケアが欠かせない。家庭や学校を挙げて、心の傷を癒やす手だてを尽くすことが大切である。

 同級生が亡くなった事故のニュースに接して、衝撃を受けている生徒たちも少なくないはずだ。

 富岡西高では、きのう行われる予定だった全国統一模試の延期などを決めた。校内の動揺を抑えるため、適切な対応を望みたい。

 悲惨な事故が起きるたび、どうして防げなかったのかという思いが募る。事故をあらゆる角度から分析して、再発防止に役立ててもらいたい。

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