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社説
8月30日付  「北」ミサイル通過   緊張緩和の道はないのか  
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 北朝鮮がまた挑発行為に及んだ。きのうの弾道ミサイル発射は今年13回目で、今月26日に短距離弾道ミサイルを発射して以来となる。憤りを禁じ得ない。
 
 弾道ミサイルは、北海道襟裳岬上空を通過した後、太平洋上に落下した。政府は、レーダー情報などから日本に落下する可能性がないと判断し、自衛隊法に基づく破壊措置を行わなかった。
 
 しかし、発射の事前通告はなく、南西諸島を除いて、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の体制下では初めて日本列島を飛び越えた。
 
 日本のみならず、アジア太平洋地域の平和と安全を脅かす極めて危険なものだ。断じて容認できない。
 
 安倍晋三首相は「暴挙」と非難し、トランプ米大統領との電話会談で、北朝鮮への圧力を強化することで一致した。エスカレートする強硬姿勢に、何としても歯止めをかけなければならない。
 
 北朝鮮は、米国に「敵視政策」や圧力強化の撤回を求めるため、緊張度をさらに高めてきたといえる。米国と連携する日本をけん制する狙いもあるだろう。
 
 21日に始まった米韓合同指揮所演習に反発を示すとともに、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験後も、米国が対話に乗り出してこないことの焦りもあるとみられる。
 
 憂慮すべきは、北朝鮮が弾道ミサイルの発射場所を、日本海沿いから首都平壌(ピョンヤン)を挟んで黄海に面した北西部まで、転々としていることだ。
 
 発射は昼夜を問わず、深夜に強行したこともある。奇襲能力を誇示する意図もうかがえる。
 
 米政府はこのところ、北朝鮮が一定の自制を見せていると評価していた。だが、発射が相次いだことで、緊張が緩和に向かうとの期待は一気に薄れた形である。
 
 北朝鮮は今月上旬、4発の新型中距離弾道ミサイル「火星12」を米領グアム沖30~40キロの海上に撃ち込む案を検討していると表明。島根、広島、高知3県の上空を通過すると予告し、自衛隊は3県と愛媛県に地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開した。金正恩氏はその後、グアム沖への発射を当面見送る考えを示唆していた。
 
 それだけに、今回の発射で住民は不安を募らせた。日本政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)で発射と上空の通過を北海道など12道県に伝えたが、今後も不測の事態に備えて万全の態勢を取らなければならない。
 
 肝心なのは、度重なる挑発に対して、国際社会が結束して対応することだ。
 北朝鮮が緊張を極度に高めていけば、軍事衝突に進みかねない。日米韓は、北朝鮮との対話の道を粘り強く探ってもらいたい。
 
 平和的解決のためには、北朝鮮に影響力を持つ中国、ロシアの役割が大きいのは言うまでもない。両国は厳しい態度で臨むべきである。

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