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社説
9月9日付  日ロ首脳会談  北朝鮮制裁へ一層努力を  
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 核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への制裁を実現するため、ロシアの譲歩をどこまで引き出すかが焦点だった。

 だが、北朝鮮の友好国であるロシアとは、制裁に関する認識の違いが大きいことが、はっきりしたようだ。

 安倍晋三首相がロシア極東ウラジオストクでプーチン大統領と会談した。

 首相は、6回目の核実験を受け、米国が国連安全保障理事会に提示した原油供給の全面禁止を含む制裁決議の採択に向けて、プーチン氏に協力を要請した。

 しかし、プーチン氏は「外交、政治的な方法でのみ解決可能だ」と述べ、対話重視の姿勢を崩さなかった。

 両首脳は「北朝鮮が朝鮮半島や地域の平和と安定への脅威となっている」とし、緊密に連携することで一致した。

 制裁を行うためには、安保理常任理事国のロシアと中国が反対しないことが条件だ。安全保障面での会談の成果は乏しいと言わざるを得ない。

 米国が目指す11日の国連安保理での北朝鮮制裁決議の採択までに、残された時間は限られている。

 日米は連携して、北朝鮮の封じ込めに向け、各国への働き掛けを強める必要がある。

 もう一つの重要テーマである北方領土での日ロ共同経済活動では、海産物養殖や観光ツアー開発など5項目の早期実現を図る方針で合意した。 一歩前進したと言えるが、日ロの法的な立場を害さない「特別な制度」の設計などが積み残されている。課税や法律の適用には、主権問題も絡み、調整の難航は必至だ。

 具体的な経済活動の開始時期や事業者選定などはこれからである。

 懸念されるのは、早くもロシアが日本に揺さぶりをかけてきたことだ。

 首脳会談に合わせて、極東開発を統括するトルトネフ副首相が「経済活動のレベルでは2カ月間だけ待ち、その後はロシアや全世界で投資家を探す」と述べ、日本の投資家らの対応を促した。

 メドベージェフ首相が8月に色丹島を経済特区の「先行発展地域」に指定する文書に署名した際、危惧された問題が早速顕在化した。

 北方領土で第三国の企業がロシアの主権下で活動するのを、日本が受け入れられないのは当然だ。第三国の企業が進出すれば、領土問題の一層の複雑化は避けられない。

 日本が共同経済活動をてこに、領土問題の進展を図りたいことは、ロシア側も十分承知しているはずだ。

 ところが、ロシアは日本の経済協力を求めるばかりで、昨年12月の日ロ首脳会談以降は、領土問題が置き去りにされたかのようだ。

 両首脳の会談は今年3回目で、通算19回を数えた。築いた信頼関係を日ロ間の懸案処理に生かしてもらいたい。

 首相は、北朝鮮制裁や領土問題で外交手腕を発揮し、プーチン氏の歩み寄りを促さなければならない。

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