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社説
9月12日付  三好署誤認逮捕   成り済まし見抜くすべは  
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 無実の市民の身柄を拘束する誤認逮捕は、人権を侵害するのはもちろん、捜査機関の信頼を失墜させる。万が一にもあってはならないことだ。
 
 そんなミスをなぜ犯したのか。徳島県警は原因をしっかりと究明し、再発防止策を講じる責務がある。
 
 三好署は5月、インターネットの短文投稿サイト・ツイッターに、アイドルグループのコンサートチケットを譲るとうそを書き込み、徳島県内の女子高校生から4万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで愛知県豊田市の専門学校生の女性を逮捕した。
 
 ところが、専門学校生は犯行に加担しておらず、誤認逮捕であることが判明した。
 県警は、専門学校生に成り済ましていたとして、詐欺容疑で京都市の女子中学生を書類送検した。
 
 容疑者を取り違えた責任は極めて大きい。県警は深く反省すべきだ。
 
 専門学校生は5月15日に逮捕された後、一貫して容疑を否認していた。だが、県警や地検の捜査のために6月2日まで19日間勾留され、処分保留で釈放された。
 
 一昨日、謝罪に訪れた三好署の副署長らに対し、専門学校生は「憤りを感じている。今後、このようなことがないようにしてほしい」と話したという。無実なのに長い間、勾留されて、心の傷が残らないか心配だ。家族の心労も大きかったことだろう。
 
 事件が起きたのは2016年8月だった。短文投稿サイトに「人気アイドルグループ『関ジャニ∞(エイト)』の徳島公演に行けなくなったので、チケットを譲る」との内容が書き込まれた。
 これを見た女子高校生ら2人が、チケット6枚分の代金8万円を指定された金融機関の口座に振り込んだが、チケットは届かなかった。
 
 県警は、書き込みが専門学校生の名前で行われたことなどから、チケット代をだまし取ったと判断し、逮捕した。
 
 しかし、チケットや現金のやりとりを精査したところ、女子中学生が専門学校生に成り済まし、現金を不正に得ていたと分かった。
 
 当然のことだが、捜査機関は、悪意を持った第三者が他人の名前を勝手に使っていないか、調べを尽くさなければならない。それが不十分なままで、専門学校生が容疑者だという決めつけや、思い込みはなかったのか。
 
 県警は捜査の経緯をつぶさに再検証する必要がある。
 
 インターネットでは見知らぬ他人と物品の売買ができるが、便利さに乗じた犯罪が後を絶たない。どこに落とし穴があるか分からず、利用には細心の注意が求められる。
 
 現金をだまし取り、他人に罪を着せるのは卑劣極まりない行為だ。人の一生を台無しにする恐れがあり、断じて許されない。
 
 小・中・高校などの教育現場や家庭でも、ネットを悪用しないよう、きめ細かに指導することが大事である。

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