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社説
9月13日付  北朝鮮制裁決議   石油規制の確実な実施を  
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 北朝鮮による6回目の核実験を受け、国連安全保障理事会が、石油精製品の供給や原油輸出に上限を設けることを柱とする制裁強化決議案を全会一致で採択した。
 
 日米が目指した石油の全面禁輸は見送ったが、制裁に石油を加えたのは初めてだ。核実験から約1週間後の採択も異例の早さである。
 
 効果を上げるには、国際社会が結束して行動することが大切だ。北朝鮮の挑発を止めるため、各国は厳格に履行しなければならない。
 
 決議は、石油精製品の供給上限を年間200万バレルとする一方、原油供給の年間上限は過去12カ月と同じ量とし、現状維持にとどめた。
 
 北朝鮮の後ろ盾になっている中国とロシアが全面禁輸に反対したためだが、米国の見通しでは、原油と石油精製品を合わせた供給量は約30%減少する。その影響は小さくないだろう。
 
 石油を対象にした意味は重い。段階的に規制を強め、最終的に輸入を全面禁止にした石炭と同様、今後の動きによっては、石油も全面禁輸にするとの警告になるからだ。
 
 外貨収入源を断つ新たな制裁も盛り込んだ。出稼ぎ労働者の就労禁止と繊維製品の輸出禁止である。
 
 出稼ぎ労働者は中ロを中心に、約9万3千人が海外で働いているとされる。繊維製品の昨年の輸出額は7億5200万ドル(約821億円)に上るという。石炭など主要輸出品が禁輸になった北朝鮮にとって、いずれも残り少ない貴重な収入源だ。
 
 外貨が乏しくなれば石油の輸入量も減る。禁輸に代わる間接的な規制といえよう。
 
 ただ、中ロに配慮して、決議前から働く出稼ぎ労働者は例外とし、繊維製品も決議前の契約なら90日以内は輸出を認めた。
 
 8月に採択した制裁決議では、海産物も全面禁輸としたが、中朝の国境地帯には非正規の取引ルートがあるといわれる。
 
 決議の成否の鍵を握るのは、やはり中国である。制裁に本腰を入れ始めてはいるものの、思い切った措置には消極的な姿勢が目立つ。
 
 北朝鮮の核・ミサイルは日米韓だけではなく、中国への脅威にもなる。北朝鮮の暴発を避けつつ、圧力をさらに強めるよう求めたい。
 
 北朝鮮に接近しているロシアの責任も問われる。対米戦略上、北朝鮮の反米行為が国益にかなうと見ているようだが、東アジアの不安定化は自国にも害を及ぼす。ロシアは、安保理常任理事国にふさわしい行動を取るべきだ。
 
 度重なる挑発に対して、ペルーとメキシコが北朝鮮大使に国外退去を命じた。他の中南米諸国や欧州各国にも広がれば、北朝鮮の孤立は一層深まろう。
 
 重要なのは、核・ミサイル開発に利益がないのを、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に認識させることだ。包囲網を強固なものにしなければならない。

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