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社説
9月15日付  概算要求100兆円超   歳出の膨張はいつまで  
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 国・地方を合わせた借金の総額が1千兆円を超える最悪の状況の中、財政健全化は待ったなしの課題だ。
 
 にもかかわらず、2018年度予算に対する各省庁の概算要求は、一般会計の総額で100兆9586億円に上った。100兆円の大台を突破したのは4年連続である。
 
 17年度予算と同規模にするには、3兆円以上を圧縮する必要がある。年末の予算編成に向けて、政府は厳しく絞り込み、歳出の膨張に歯止めをかけなければならない。
 
 要求総額は101兆円を超えた17年度を下回ったものの、借金返済に充てる国債費を除いた政策経費は77兆1372億円と、過去最大を更新した。
 
 膨らんだ要因となったのが、安倍政権の看板政策「人づくり革命」や成長戦略に重点配分する約4兆円の特別枠である。
 
 社会人の学び直しや研究開発のための人材育成のほか、地域経済や中小企業の生産性向上につながる施策を対象とし、財源は、公共事業など裁量的経費の要求額を10%削って捻出する仕組みだ。
 
 安倍政権は、これまでも「地方創生」や「1億総活躍社会の実現」の看板政策で特別枠を設けてきた。予算にめりはりを付け、経済の底上げといった課題に対応するのが目的である。
 
 しかし、予算を確保したい各省庁が既存の事業を焼き直し、上乗せするケースが少なくなかった。十分に成果を上げてきたとは言えず、他の予算にしわ寄せが及ぶ弊害も見られた。
 
 今回も看板政策を盾に取った要求が並んでいる。政府は必要性や額の妥当性をしっかりと点検すべきだ。
 
 年金、医療などの社会保障費の要求額は、高齢化に伴う自然増で6300億円伸びた。政府は財政健全化計画で、これを5千億円程度に抑える目標を立てている。
 
 18年度は診療報酬と介護報酬が6年ぶりに同時改定される。医療、介護現場の実態に目を配りながら、効率的な運用が進むよう見直すことが大切だ。
 
 金額を示さない「事項要求」が目立つのも気になる。「人づくり革命」の柱である幼児教育の無償化や、地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」などだ。
 
 このうち教育の無償化だけでも、大学などの授業料を加えると4兆円以上になる。どこまで認めるのか、厳格な政策判断が求められよう。
 
 安倍政権は17年度まで、税収の伸びを見込んで、一般会計の歳出総額を5年連続で増やしてきた。だが、16年度の税収が7年ぶりに前年度割れするなど、成長頼みには限界がある。
 
 20年度に国・地方の基礎的財政収支を黒字化する目標の達成も難しくなっている。
 
 政権浮揚や次期衆院選をにらみ、与党から歳出増への圧力が強まっているが、財政規律を緩めてはならない。

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