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社説
10月14日付  アベノミクス  その恩恵を実感できるか  
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 経済政策の争点は、安倍晋三首相が掲げる「アベノミクス」を継続するか、それとも別の道を選ぶかだ。
 
 アベノミクスは、大胆な金融緩和と規制緩和による成長戦略、機動的な財政運営が柱である。
 
 2012年12月に第2次安倍政権が発足した当時、1ドル=85円程度だった円相場は現在、112円前後。一時は125円まで円安が進んだ。
 
 円安効果に支えられ、輸出関連を中心に大企業の業績は大きく改善している。
 
 きのう、東京株式市場の日経平均株価は約21年ぶりに、2万1000円の大台を回復して取引を終えた。
 
 景気拡大は9月まで58カ月に及び、戦後2番目に長い高度経済成長期の「いざなぎ景気」を超えた可能性が高い。
 
 アベノミクスによる円安株高誘導が、一定の成果を挙げたことは確かだろう。
 
 しかし、その恩恵は人や事業所、地域などによってかなり違う。
 
 株式取引で潤っているのは一部の富裕層であり、金融資産が乏しい貧困層には得るものがないとの不満が強い。
 
 徳島県など地方を支える下請け企業には、大企業の業績改善に伴い、仕事が増える波及効果も現れているようだ。それでも、厳しい経営状況から抜け出せない企業も多い。
 
 有効求人倍率は1・5倍超とバブル経済期を上回るまでに好転した。就職難の様相から一変して、今は売り手市場である。雇用環境の改善は評価されよう。
 
 だが、大企業に比べて経営基盤が弱い中小・零細企業は、必要な人材を確保できない悩みに直面している。
 
 土地価格が二極化したのも懸念材料だ。大都市圏は上昇に転じたが、徳島など地方では下落傾向が続いている。
 
 地方の住民は、アベノミクスの恩恵を十分に実感できていないと言える。
 
 これら深刻な格差をどう是正するのか。アベノミクスが功罪相半ばするとの指摘はうなずける。
 
 アベノミクスの先行きには不透明感も拭えない。14年4月に消費税率を8%に上げた後、個人消費は力強さを欠く。物価上昇率は日銀が目標とする2%に及ばない。
 
 安倍首相はアベノミクスの現状は「7合目」との認識を示した。自民党はアベノミクスの加速で、景気回復・デフレ脱却の実現を目指す。
 
 希望の党は、小池百合子代表にちなんで、金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間活力を引き出す「ユリノミクス」を打ち出した。
 
 共産、立憲民主、社民各党は「アベノミクスは失敗だ」と批判し、大企業優遇の政策の転換などを訴える。
 
 それぞれが国民生活を支える実効ある対案を示し、詳しく説明してもらいたい。
 
 与野党の突っ込んだ論戦を通じて、政策の中身を見極めることが大事である。

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