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社説
10月19日付  <2017衆院選>消費税増税   財政再建への道筋を示せ  
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 消費税増税は、どの政党にも悩ましい課題である。増税を掲げて選挙を戦えば、有権者が離れる懸念が強い。
 
 だが、人気取りのために増税を避ければ、国の台所は火の車になる。
 
 与野党とも、財政再建に道筋をつける政策が求められるのは当然だ。
 
 安倍晋三首相が衆院解散・総選挙の理由の一つに挙げたのは、消費税の使途変更だった。2019年10月に消費税率を8%から10%に引き上げるのに伴って、国の借金返済から幼児教育の無償化などに2兆円を振り向ける。
 
 過去、安倍政権は10%への引き上げを2度にわたって延期してきた。今回、増税を選んだのは、与党としての責任ある判断だと言えよう。
 
 連立与党の公明党もこの方針に歩調を合わせている。
 
 ただ、目先を変えたとの感も否めない。問題は、税収の幼児教育などへの使途変更を、有権者がどう受け止めるかである。
 
 国の借金は1千兆円を超えており、単純計算すると、国民1人当たり851万円の借金を背負っている。
 
 膨らんだ借金を後の世代に残すのは、無責任のそしりを免れまい。今が、未来の子どもたちの負担を軽減する手だてを講じる時だ。
 
 社会保障や公共事業などの政策に必要な経費は借金に頼ることなく、税収などの基本的な収入で賄うことが大事である。
 
 このため、政府は、20年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を図る財政健全化目標の達成を目指してきた。
 
 今回の使途変更に伴って、首相が健全化目標を先送りしたのは残念である。12年の税と社会保障の一体改革に基づく、財政再建との両立が暗礁に乗り上げかねない。
 
 一方、希望の党は「国民一人一人に景気の実感が伴っていない」として増税の凍結を主張している。
 
 共産党や立憲民主党、日本維新の会、社民党も増税に反対か凍結の立場である。
 
 消費増税を回避するのであれば、実効ある方策を示さなければならない。
 
 希望の党は、大企業の内部留保課税を提唱している。立憲民主党は所得格差を是正するため、所得税や相続税、金融課税の強化を打ち出した。
 
 共産党は大企業の優遇税制縮減や軍事費の削減を、日本維新の会は議員報酬や国家公務員の削減を提示している。
 
 これらの政策によってどの程度、収支の改善が見込めるかは不透明である。
 
 各党はそれぞれの主張について、分かりやすく国民に説明してもらいたい。
 
 有権者は、消費税増税の使途変更と凍結などの是非について比較検討し、十分に吟味する必要がある。集票目当ての思いつきやその場しのぎの方便がないか、慎重に見極めることが大切だ。

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