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社説
12月5日付  「森友」国会論戦  第三者委設けて究明を  
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 4日間にわたる衆参両院の予算委員会審議でも、「なぜ」という疑問は解消されなかった。

 学校法人「森友学園」に、国有地が大幅に値引きされて売られた問題である。

 論戦では、特例を重ねた優遇ぶりと、その一端をうかがわせる音声データの存在が明らかになった。疑惑はますます深まったといえよう。

 安倍晋三首相が約束した「丁寧な説明」には程遠く、国会は引き続き問題の核心に迫らなければならない。首相は自ら積極的に解明に乗り出すべきである。

 国有地の売却を巡っては先月、会計検査院が検査結果を公表した。地中のごみ撤去費用を約8億円とした財務省近畿財務局の算定を「根拠不十分」と指摘する内容だ。

 予算委で森友側への異例の対応が浮き彫りになったのは、財務省理財局長の答弁である。

 野党の質問に局長は、売却を前提とした定期借地契約や、分割払いを認める延納特約を結んだのは、2012年度から16年度の間、全国で「本件のみ」だとした。売却額を非公表としたのも森友だけだった。

 「本件のみ」と連発する答弁に、委員会室がどよめいたのは当然だろう。

 なぜ、これほどの特別扱いをしたのか。局長は、例えば延納特約について「学園の収支計画、借入金の返済計画を検証した」などと述べたが、納得のいく説明は得られなかった。

 政府が存在を認めた音声データは、昨年3~4月ごろと5月ごろに、近畿財務局の担当者と森友側が売買契約を結ぶ前にやりとりしたものだ。

 この中には、値下げを求める森友側に対し、財務局側が「きっちりやる必要があるというストーリーはイメージしている」「努力する」などと応じる場面がある。

 口裏を合わせたり、理屈をつくって要望に応えようとしたりしたと受け取られる内容だ。「2割以上を納めて分割払い」などと、財務局側から延納を持ち掛けるような発言もあった。

 驚くのは、政府の釈明である。理財局長は金額についてのやりとりはあったと認めながらも、価格交渉は否定するという苦しい答弁に終始した。これを理解できる国民がどれほどいるのか。

 「適切に処理した」としてきた政府の答弁が誤りだったのは、明らかではないか。

 学園が開設予定だった小学校の名誉校長には、首相夫人の昭恵氏が一時就いていた。

 行政側が忖度(そんたく)したのではないか、首相や周辺の働き掛けはなかったのか。このまま幕引きするようなことがあってはならない。

 政府、与党は、野党が求める関係者の証人喚問に応じるとともに、第三者による調査委員会を設けるなどして真相究明に当たるべきだ。それを指示できるのは、首相自身であるのは言うまでもない。

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