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社説
12月24日付  診療・介護報酬  超高齢化に即した改革を  
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 来年4月の改定で、診療報酬を引き下げ、介護報酬を引き上げることが決まった。

 高齢化の進展により医療、介護に対する需要は今後ますます増え、費用が膨張するのは必至だ。
 
 人口の多い団塊の世代が全員75歳以上になる2025年も迫っている。

 制度の持続可能性に黄信号がともらないよう、医療、介護の連携を強めるなど、超高齢社会に即した改革を進めなければならない。

 診療報酬は医療機関に、介護報酬は介護事業所に支払われる費用の公定価格だ。国がそれぞれ2年置きと3年置きに見直しており、来年度は6年に1度の同時改定となる。

 診療報酬は、医師らの技術料や人件費に当たる「本体部分」を0・55%引き上げる一方、「薬価部分」を1・45%引き下げ、全体で0・9%のマイナスとした。

 厚生労働省の調査では、病院の利益率は全国平均で赤字となり、経営が悪化している。勤務医の長時間労働も問題化しており、本体部分のアップはやむを得まい。

 薬価は、直近の調査で実勢価格より平均9%程度高いことが分かった。引き下げは妥当である。
 
 介護報酬は0・54%アップと、前々回の12年度以来6年ぶりに引き上げる。

 15年度の前回改定では2・27%切り下げられ、事業所の撤退が全国で相次いだ。16年の倒産件数は108件と過去最多に上っている。

 介護職員の不足も深刻で、25年には約38万人が足りなくなるとの見通しもある。

 安倍政権が掲げる「介護離職ゼロ」の目標を達成するには、事業所の経営安定や人材確保が急務だ。報酬アップを環境の改善に生かしてもらいたい。

 全体の増減幅は決まったが、重要なのは、来年春までにまとめる具体的なサービス内容や報酬配分である。

 医療では、重症患者向けの急性期病床の削減と、リハビリ向け病床の増加が求められる。高齢化で慢性疾患を持つ人が増えるからだ。

 高度医療を担う大病院が役割を十分果たすためには、軽症者の受診を減らす仕組みの強化が必要だ。在宅医療の促進へ、かかりつけ医の育成も欠かせない。

 介護では、「自立支援」を重視する厚労省が改定案を出している。

 リハビリ専門職との連携による生活機能訓練や、要介護度の改善といった成果を上げた場合に報酬を手厚くするほか、生活援助の報酬引き下げなどを挙げている。

 増え続ける費用を抑えるのが狙いだが、無理に状態を改善させようとしたり、重度の人の受け入れを敬遠したりするようなことがあってはならない。

 医療、介護の費用抑制とサービス向上の両立をどう図るのか。現場の声を踏まえながら、議論を深めなければならない。

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