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社説
12月26日付  安倍内閣5年   初心に帰り謙虚な姿勢を  
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 第2次安倍内閣が発足して5年を迎えた。
 
 安倍晋三首相は経済政策「アベノミクス」で好スタートを切り、ここまで内閣支持率も堅調だ。野党の弱さにも助けられ、国政選挙では5連勝している。
 
 在職日数は第1次を合わせて2193日と、佐藤栄作、吉田茂元首相に続き戦後3位になる。
 
 しかし、「安倍1強」による政権運営には強引さが目立ち、ひずみも見え始めた。
 
 2012年末に民主党から政権を奪還して以来、強調してきた「謙虚な政治」とは程遠いと言わざるを得ない。
 
 来年9月の自民党総裁選での連続3選と、悲願の憲法改正を目指す首相だが、思惑通りに進むのか。
 
 内外の課題に対処していくためには、いま一度初心に帰り、国民と真摯(しんし)に向き合う姿勢が必要だろう。
 
 この5年間、首相が常に前面に掲げてきたのは「経済最優先」の旗である。アベノミクスは大胆な金融緩和で円安株高をもたらし、企業収益の増加などにつながった。
 
 ただ、緩和の効果は持続せず、デフレは克服できていない。物価上昇率2%程度の目標達成時期は6回も延期した。とりわけ地方では景気回復の実感が乏しいままだ。
 
 機動的な財政出動の効果も一時的で、肝心の成長戦略が力不足では仕方なかろう。
 
 それでも、首相は選挙のたびにアベノミクスの加速を訴え、圧勝してきた。
 
 選挙後に持ち出したのが、特定秘密保護法や、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法、「共謀罪」法など国論を二分する法案である。
 
 反発する野党や国民の声に耳を傾けず、数の力で押し切ってきたのは、まさにおごりの表れと言うほかはない。
 
 批判をかわすためか、首相は看板政策の掛け替えを多用した。「新三本の矢」「地方創生」「女性活躍」「1億総活躍」などだが、成果が上がっているとは言えまい。
 
 そして今度は「人づくり革命」「生産性革命」である。次々と繰り出されるスローガンに国民は戸惑うばかりだ。
 
 看過できないのは、学校法人「森友学園」「加計(かけ)学園」を巡る問題への対応である。
 
 森友には国有地が約8億円も値引きされて売却され、加計の獣医学部新設では「総理のご意向」などと書かれた文書が明らかになった。
 
 首相は丁寧に説明するとしながら、臨時国会召集の求めに応じず、開会直後に衆院解散に踏み切るなど、身勝手な手法が目立った。支持率が一時急落したのは当然だろう。
 
 「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」で世界に存在感を示してきたと、首相は胸を張る。在職日数の長さを見れば、既に「大横綱」である。それなのに、その風格が備わっているとは言い難いのはなぜか。
 
 厳しい質問や批判も真正面から受けて立ち、堂々と対応する。そんな「横綱相撲」を見せてもらいたい。

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