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社説
1月7日付  2018年経済展望   デフレ脱却は図れるのか  
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 第2次安倍政権の発足から5年が経過したが、緩やかな景気の回復は続くのだろうか。長年の懸案であるデフレからの脱却とともに、焦点となりそうだ。
 
 景気の拡大は、高度成長期の「いざなぎ景気」を超えて、戦後2番目の長さに達したとされる。政府は今年も緩やかな経済成長を維持すると見込んでおり、現在の拡大期が年末まで続いて、2000年代の戦後最長に並ぶ可能性もあるという。
 
 それを支えた一つは、大規模な金融緩和と大胆な財政出動による安倍政権の経済政策「アベノミクス」だといえよう。円高が是正され、東京株式市場の日経平均株価は、政権発足時から2倍以上に値上がりし、年明けからも好調に推移している。
 
 ただ、日銀の金融緩和は2%の物価上昇を実現できず、目標達成時期を6回延期している。肝心のデフレ脱却が宣言できていない。
 
 安倍晋三首相は、秋の自民党総裁選での連続3選を目指している。首相の経済運営に厳しい視線が向けられているのを忘れてはならない。
 
 問題は、景気回復の実感がまだ十分だとは言い切れないことだ。経営基盤が弱い中小・零細企業が経済を担っている徳島など地方では、なおさらである。
 
 政府のきめ細かい支援策が求められよう。将来を担う創業を応援し、地方の活力を引き出してもらいたい。
 
 景気回復の実感が広がるかどうかは、今春闘での賃上げが大きく影響しそうだ。
 
 主要企業109社を対象にした共同通信社のアンケートによると、首相が今春闘で3%の賃上げを産業界に求めたことについて、賛成は5社で、個々の企業や業種ごとに判断すべきだとの回答は61社で半数を超えた。
 
 政府が賃上げを主導する「官製春闘」への批判が多かった。首相が見込むほどの賃上げは難しいだろう。
 
 企業が利益の積極的な還元をためらうのは、デフレ状況からなかなか脱却できず、海外の懸念材料が少なくないからでもある。
 
 賃上げが進み、消費が増えて、企業業績が向上する経済の好循環をつくれるのか、注視したい。
 
 長期化する大規模金融緩和の副作用にも、目を凝らす必要がある。日銀が国債の大量買い入れを続け、国債の保有割合は全体の4割を占める。極度の低金利状況は政府の財政規律を緩ませている。
 
 地方銀行などは低金利で利ざやが縮小し、収益悪化が鮮明だ。こうした副作用をどう軽減するのか。
 
 日銀は、デフレ克服を最優先課題として、当面は現在の緩和を続ける可能性が高いとされる。
 
 4月にはアベノミクスをけん引している黒田東彦日銀総裁が任期満了を迎える。後任人事とともに、金融緩和を終わらせる出口戦略についても注目されよう。

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