徳島新聞Web

1月18日(木曜日)
2 2
17日(水)
18日(木)
社説
1月9日付  南北対話  重要なのは核の放棄だ  
このエントリーをはてなブックマークに追加

 韓国と北朝鮮による南北閣僚級会談がきょう、板門店で行われる。南北の当局者会談は2015年12月以来、約2年ぶりだ。

 議題は2月に韓国で開かれる平昌冬季五輪への北朝鮮の参加だけでなく、南北関係改善全般に及ぶ可能性がある。

 北朝鮮が突然、融和姿勢に転じた真意は分からず、過度な期待は禁物だ。両国間の緊張が和らぐのかどうか、見守りたい。

 重要なのは、南北対話を北朝鮮の非核化につなげることである。韓国は日本や米国と緊密に連携しながら、慎重に対応しなければならない。

 閣僚級会談は、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日の「新年の辞」で、平昌五輪に代表団を派遣する用意があると述べたのがきっかけだ。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領がこれを歓迎し、南北の直通電話回線が復活。米韓合同軍事演習も延期され、韓国が提案した会談再開に北朝鮮が応じた。

 北朝鮮の路線転換の裏には、さまざまな狙いが潜んでいるとみられる。

 一つは、韓国と日米の結束を揺さぶり、国際的な包囲網に風穴をあけることだ。

 金氏は新年の辞で、米本土全域が北朝鮮の核攻撃の圏内にあるとし、米国との対立姿勢を改めて強調した。対照的に、北朝鮮の参加で「平和五輪」を国内外にアピールしたい文氏には秋波を送り、違いを鮮明にさせた。

 原油の輸出制限を含む国連制裁決議により、北朝鮮は経済的に追い詰められているとされる。会談で、韓国に独自制裁の解除や人道支援など、制裁効果の低減につながる「見返り」を要求してくる可能性がある。

 しかし、制裁は五輪参加と引き換えにできるものではない。文氏には、足元を見られて安易に譲歩するのではなく、北朝鮮の内情を逆手に取るしたたかさが求められる。

 核・ミサイル開発を完成させるための時間稼ぎではないかとの見方もある。

 金氏は対話攻勢を仕掛ける半面、非核化への取り組みには一切言及していない。韓国を利用して米軍の動きを止め、その間に着々と開発を進める。そんな策略に乗せられないよう、警戒を緩めてはならない。

 文氏は「南北対話が米朝の対話ムードをつくる上で助けになる」と期待感をにじませている。トランプ米大統領も、状況次第では金氏と直接対話してもよいとの考えを示した。

 一方で、核放棄を迫る立場は変わらないと米韓が強調したのは当然である。

 これまで北朝鮮は、融和の姿勢を見せては自国の利益を図り、約束を破るという戦術を繰り返してきた。同じ轍(てつ)を踏まないためには、核実験やミサイル発射の中止など、具体的な行動を北朝鮮から引き出す必要がある。

 韓国の外交力とともに、中国、ロシアを含む国際社会の結束も問われる。

メニュー
 徳島ヴォルティス        高校野球
 社説        鳴潮           号外       地震
 ニュースリリース           不審者
 人事       訃報