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社説
1月17日付  阪神大震災23年   幾重もの備えが必要だ  
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 6434人の命を奪い、4万3千人以上の負傷者を数えた阪神大震災からきょう23年を迎えた。
 
 「1・17」に改めて考えるのは、犠牲者を鎮魂し、震災で生まれた絆を受け継いでいくことの大切さだ。
 
 その思いを共有し、将来の備えに生かしていこうと、今年もさまざまな形で行事が行われた。
 
 神戸市の東遊園地にあるガス灯「1・17希望の灯(あか)り」を各地の学校などで開かれる追悼行事に分ける「分灯」には、徳島市の津田中学校の生徒が訪れた。ガス灯の炎をろうそくでランタンに移し、持ち帰った。きのう徳島市であった追悼式典でともされた。
 
 震災の記憶の風化を危ぶむ声が上がる中で、毎年引き継がれてきた。命の大事さを肌で知り、伝えていく。防災意識をさらに高めるきっかけにもなるだろう。
 阪神大震災は、かけがえのない家族を奪った。遺族の悲しみに、しっかりと寄り添いたい。
 
 教訓を伝え、未来の子どもたちの命を守っていくためにも、語り部の存在は重要である。忘れてならないのは、被災体験を持つ人たちにとって、つらい記憶を伝えるのは耐え難いことだ。
 
 小学生だったわが子を亡くした女性の胸の内が、11、12日付の本紙夕刊「語りの力―心つないで」にあった。
 
 約20年間、各地で語り継いできたが、この間、娘を材料にしている自分が許せず、語ることをやめたくなった、語れば語るほど心がすり減ってしまう・・・とつづられている。胸が詰まった。
 
 語り部として、いつも最後に伝える言葉は「どんなにつらいことがあっても、人は生きられるのですよ。偶然の命の奇跡を、どうか大切にしてほしい」だという。
 
 南海トラフ巨大地震や中央構造線断層帯の直下型地震など、徳島でも巨大地震はいつ起きるか分からない。一人一人の大事な命を守っていくためには、官民が一体となった幾重もの備えが必要だ。
 
 特筆したいのは、優れた防災教育や活動を顕彰する本年度の「ぼうさい甲子園(1・17防災未来賞)」(兵庫県など主催)で最高位のグランプリに津乃峰小学校(阿南市)が選ばれたことだ。
 
 活動発表で、児童らは保育所への出前授業や抜き打ちの防災訓練、手作り防災頭巾などの取り組みを説明し「地域との防災学習を進め、みんなで助かる津乃峰町をつくっていきます」と宣言した。
 
 子どもたちの中に防災意識が根付いている証しだといえよう。地域だけでなく、家庭ごとに災害対応をまとめる「FCP(家族継続計画)」などについても話し合っておきたい。
 
 東日本大震災を契機に自治体の防災計画見直しが進む中で、万一に備える姿勢が一層求められよう。災害に対応できる地域社会を築いていくことが大事だ。
 

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