徳島市出身の色覚障害者でカラーコーディネーター一級を持つ伊賀公一さん(53)=東京都在住=らが、色弱者と一般の人の見え方の違いやその原因を解説した「カラーユニバーサルデザイン」(A5変型判、一七五ページ)を出版した。見え方を対比した写真をふんだんに盛り込むなど、第三者に伝えにくい色感の違いを視覚的に分かりやすく紹介している。
本では、ある種の色を判別しづらい色弱者が感じている世界を、一般の人に体験してもらうために「色覚シミュレーション」と呼ばれるソフトを使って画像を作成。赤く示された休日が読みにくいカレンダーや黒く見える「口紅」、樹木に紛れる道路標識などの画像を掲載している。
また、生物が色を認識する仕組みや色覚障害の原因を説明。すべての人に見やすい色彩とデザインで施設や商品をつくるカラーユニバーサルデザインに向けた取り組みも紹介している。
伊賀さんは、遺伝的な要因で強度の色覚障害がある。二〇〇四年、生物学研究者やデザイナー、色弱者らとともにNPO法人カラーユニバーサルデザイン機構を設立。色弱者にも情報がきちんと伝わるよう、企業や自治体などに色彩やデザインを提案・助言する活動を続けている。色を表す記号を頼りに勉強し、二年前にカラーコーディネーター一級に合格した。
色覚障害者は、日本全国で約三百二十万人といわれる。伊賀さんは「身近な人が色弱者かもしれない。ひとごとではなく、すべての人にかかわる問題なので、とにかく認識を広めたい」と話している。
ハート出版刊で、価格は三千九百九十円(税込み)。全国の主な書店で購入できる。問い合わせは同法人<電03(5775)5420>。【写真説明】色覚障害者のものの見え方などを紹介した「カラーユニバーサルデザイン」を出版した伊賀公一さん=徳島市内の新聞放送会館