「事件なければ私が」 鳴門殺人・遺棄、被告の妻が証言 2009/11/19 10:37
徳島県内2例目の裁判員裁判で、殺人と死体損壊・遺棄の罪に問われた大阪府八尾市山本町北1、元トラック運転手藤見秀喜被告(62)の第2回公判は18日、徳島地裁(畑山靖裁判長)で午後から被告人質問と証人尋問が行われた。藤見被告と、被告の妻で殺害された長男一(はじめ)さん=当時(33)=の母親でもある紀代子さん(64)が、家庭内の状況について証言。2人に対し、4人の女性裁判員が質問した。
午前に引き続き行われた被告人質問で、法壇に向かって左から5番目の女性裁判員は「(精神障害に関する)本を読んだと言ったが、どう思ったか」と質問。藤見被告は「(犯行の)前に読んでいれば、結果は変わっていた可能性はあります」と答えた。
また、畑山裁判長の質問に藤見被告は「一は33年の半分を病気と闘っていた。これで毎日の幻聴や幻覚という苦しさから解放してやれるという気持ちもあった」と述べた。
この後、藤見被告の次男に対する証人尋問が予定されていたが、出頭しなかったため、代わりに捜査機関の供述調書を証拠として弁護人が朗読。「辛抱と苦労の連続だったことは私には分かる。事実であってもお父さんを責めることはできない」と話した。
続いて、証言台に立った紀代子さんは、弁護人の質問に答える形で、一さんの家庭内暴力のひどさなどを述懐。地元の保健所に相談に行ったが、思うような助言が得られなかったことなどを明かした。検察側の質問に対し、「事件がなかったら、私が(一さんを)包丁で突き刺していたかもしれない」とも述べた。
この日の公判は午後4時に終了。19日の第3回公判は午前10時に始まり、群馬県立精神医療センターの武井満所長に対する証人尋問を行う。検察側が証拠採用を求めている切断遺体の写真1枚を取り調べるかどうかを決めた後、午後から論告求刑、最終弁論などがあり、午後2時10分に結審する予定。裁判員と裁判官が判決内容を話し合う評議を午後2時半から行う。判決は20日午後4時に言い渡す。