46年ぶりに会報発刊 1957年発足の徳島中オーケストラ部 2009/11/20 16:11
全国でも珍しい中学生によるフルオーケストラとして1957年に発足し、全国に名をとどろかせた徳島中学校(徳島市中前川町)オーケストラ部の会報「響想(きょうそう)」が、46年ぶりに編集された。昨年、創成期メンバーが約半世紀ぶりに一堂に会したのを機に、当時指導した吉田久夫さん(81)=元県教育次長、徳島市応神町=がまとめた。青春の思い出が詰まった会報は、22日に開かれる同窓会で配布される。
「響想」第2号はA4判67ページ。主に創設から63年度までの歩みを紹介した。全日本器楽合奏コンクール西日本大会で3年連続1位、同全国大会2年連続2位など華々しい受賞歴も網羅している。
創設前後の苦労や生徒たちの奮闘ぶりを伝えるエピソードも満載している。それによると、他校のブラスバンド部の活躍に刺激を受けた吉田さんが「全国どこにもない中学生オーケストラを」と進言。当時の保科千代次校長が「それで結構。(楽器をそろえる)金は私に任せてほしい」と快諾して歩みが始まった。
60年の西日本大会では、ベートーベンの交響曲第5番「運命」で連覇を目指した。難しい曲にもかかわらず、生徒が猛練習の成果を発揮して素晴らしい演奏をしていることに、指揮を執る吉田さんは壇上で感激。涙をこらえながらタクトを振ったという。
創刊号は、生徒らの作文を収録して63年に編集された。題名は1期生の一人が「想(おも)いを響かせる」との意味を込めて命名。その後も引き続き発刊する予定だったが、かなわないまま長い年月が過ぎていた。
昨年12月、吉田さんの叙勲祝賀を兼ねた同窓会が思い出話で大いに盛り上がったことから、「創成期の苦労をきちんと残しておかねば」と約半年がかりでまとめた。
吉田さんは出来上がった会報を手に「終戦から十数年しかたっていなかった時代、生徒は『やればできる』という思いで本当によく頑張ってくれた」と振り返った。【写真説明】46年ぶりにまとめた徳島中学校オーケストラ部の会報を手にする吉田さん=徳島市応神町の自宅