シカ食害、イヤギボウシ保護阻む 群生地復活へ金網補強 2009/11/21 15:07
三好市の落合小学校の児童が取り組んでいる希少植物イヤギボウシの保護活動が、シカの食害に遭って軌道に乗らない。昨年6月、同市東祖谷下瀬の群生地にポリエチレン製防護ネットを張り巡らせたが、シカに食い破られ、効果がなかった。このため子どもたちは今秋、金網による補強作業を行い、「今度こそ、シカから守り、群生地を復活させたい」と願っている。
イヤギボウシはユリ科の多年草。高さ40~50センチで6月末、薄紫のラッパ状の花をつける。下瀬の群生地は市の天然記念物に指定されているが、食害や杉の植林による環境変化などにより、小さな株が点在するのみとなっている。
落合小は、2005年に閉校した池田高校祖谷分校から保護活動を引き継ぎ、校庭で1000株を育てている。また、07年には群生地再生に向けて、苗210株を移植した。
しかし、移植した株はシカに食い荒らされ、現在残っているのはわずか20株ほど。移植時に種をまいていて、約200株が芽を出したが、発芽した株はまだ1センチほどで、枯れる可能性が高い。
対策として、児童らは昨年6月、群生地の周囲約50メートルを高さ1・5メートルのネットで囲った。ところが、今年10月6日に点検したところ、数カ所が食い破られ、株に食べられた跡が見つかった。
今度は食い破られないようにと10月27日、4~6年の児童7人が高さ80センチの金網30メートルを周囲に張り、残り20メートルも今月上旬に取り付けた。近く100株を移植することにしている。
6年生の藤村瑞希さん(12)は「金網で囲えばシカも入れないと思う。もっとたくさん増やしたい」と話している。
《イヤギボウシ》「祖谷」の名がついているように、1915(大正4)年に旧東祖谷山村の祖谷川近くで発見された。かつては、祖谷川沿いのあちこちに群生していたが、杉の植林により日当たりが悪くなるなど環境の変化により激減。県の絶滅危惧(きぐ)Ⅰ類に指定されている。【写真説明】イヤギボウシの群生地を囲うネットを金網で補強する落合小児童=三好市東祖谷下瀬