4医師全員が辞意 鳴門病院循環器科、体制に危機 2010/2/3 10:25
健康保険鳴門病院(鳴門市撫養町黒崎、増田和彦院長)の循環器科の医師4人全員が、辞職届を提出し、4人とも3月末で病院を辞めることが2日、分かった。病院側は欠員を補充したい考えだが、同日現在、後任は1人も決まっていない。短期間で医師4人を確保するのは至難の業。4月以降、受け入れ患者を大幅に減らすなどの対応を迫られる可能性もあり、患者らは思わぬ事態に困惑している。
病院を辞めるのは、20代2人、40代1人、50代1人の男性医師4人。昨年末から年始にかけて、いずれも「一身上の都合」を理由に辞職届を提出した。病院側や医師によると、4人が病院の救急医療体制に不満を募らせたのが原因という。医師の一人は「いつでも安心して受けられる医療へ心を砕いてきたが、その実現がここでは難しかった」と話した。
危機感を持った病院側は1月下旬、徳島大学病院に医師の配置を求めて申請したほか、増田院長らが個人的なつながりを頼りに後任を探している。しかし、全県的に医師不足とあって、今のところ見つかっておらず、循環器科の存続を危ぶむ声も聞かれる。
同病院循環器科の2008年度の1日平均患者数は66人、年間では1万6千人だった。狭心症で約10年通院している鳴門市内の男性会社員(60)は「市内に循環器を扱う大病院は鳴門病院のほかにない。なくなると徳島市内まで行かなければならず、大変不便。緊急時も不安」と困惑顔だ。
病院側は「循環器科を閉鎖することはない」としている。だが、4月時点での診療体制の規模縮小は避けられない見通しで、当面は、確保できた医師数に応じて患者をほかの病院に振り分けるなどするという。
増田和彦院長は「患者に迷惑を掛けて申し訳ない。循環器科は地域医療にとって必要不可欠。何とかして存続の道を探りたい」と話した。