徳島県教委は9日、徳島市上八万町上中筋の宅宮(えのみや)神社に伝わる「神踊り」を県無形民俗文化財に、徳島市国府町の観音寺遺跡と敷地遺跡から出土した木簡など500点(県埋蔵文化財センター所蔵)を県有形文化財(考古資料)に指定することを決めた。指定日は18日。
宅宮神社の神踊りは、平安時代末期に始まったとされる「五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全」を祈る民俗芸能。毎年8月15日に同神社境内などで奉納される。手作りの花がさに浴衣姿の踊り手が円陣を組み、太鼓に合わせて小唄を歌いながら踊るのが特徴。
氏子らが「馬組」と呼ばれる11の地域共同体をつくり、毎年持ち回りで奉納するなど、地域全体で祭礼の保存継承に努めている。1963年には徳島市の無形民俗文化財に指定された。
観音寺遺跡と北側に隣接する敷地遺跡からの出土品は、7~10世紀の木簡222点、紡織具などの木製品や銅製の鏡などの金属製品、土器、石器など278点の計500点。96年から2007年にかけて発掘された。
中でも06年3月に出土した8世紀半ばの「勘籍(かんじゃく)木簡」(長さ57・9センチ、幅5センチ、厚さ0・49センチ)は、「阿波国司」と書かれた初めての木簡。奈良時代の中央政府が阿波に国司を派遣していた史実が文書で確認できるとともに、同遺跡周辺が当時の県庁に当たる国衙(こくが)を含む阿波国府であったことを裏付けた。
このほか、国内最古の「論語木簡」や「難波津の歌」を習書した「難波津木簡」などもあり、地方の役所(官衙(かんが))での行政の実態や役人の文化・教養などを知る上で貴重な資料という。
今回の指定で、県指定無形民俗文化財は13件、県指定有形文化財(考古資料)は16件となり、県指定文化財の合計は331件となる。【写真説明】【上】県無形民俗文化財に指定された宅宮神社の神踊り=徳島市上八万町の同神社(県教委提供)【下】県有形文化財に指定された観音寺遺跡から出土した木簡(県教委提供)