全県に業務エリア拡大へ 徳島市勤労者福祉サービスセンター 2010/3/9 10:37
徳島市と隣接市町の中小企業の福利厚生事業を請け負う市勤労者福祉サービスセンターが、2011年度から県内全域へのエリア拡大を検討している。多様なサービスが好評で、09年度は会員・企業数とも大幅に増加。不況で賃金引き下げなど労働環境の悪化が叫ばれる中、比較的安価なセンターの福利厚生事業に十分需要があると判断した。
センターは厚生労働省の補助事業として、02年に徳島市と県勤労者福祉ネットワークが設立。従業員1人当たり月千円の会費で慶弔一時金や健康診断、宿泊施設の補助、クーポン券などのサービスが受けられる。
国と市から年間1千万円ずつ補助金が交付されているが、06年に国は11年度からの廃止を決定。補助金廃止後の運営基盤確立へ、センターは08年3月に県や市、経済団体などによる事業検討委員会を発足させ、自立の方法を探ってきた。
検討委が重視したのはサービスの充実。09年4月から京阪神への日帰り千円バスツアーといった格安プラン、映画館や高速バスの割引に使えるクーポンを特典ごとの券から共通券に変更するなど利便性の向上を図った。
その結果、会員数は08年度末で617社、3101人だったが、2月16日現在で642社、4156人と、過去5年間で最高の伸びとなった。
42人の社員を抱える千松自動車教習所(徳島市北佐古二番町)は、独自に健康診断や慰安旅行などを行っていたが、同程度の経費負担で多くのサービスが受けられるため昨年4月に加入した。阿部榮次専務は「厳しい時代を乗り越えるために、社員と共に頑張ろうという姿勢を示した。社員も仕事への意欲が増しているようだ」と言う。
検討委は昨年11月、20人以上の社員がいる県内の1625社に職場環境に関するアンケート調査を実施。403社から回答があり、福利厚生の充実が社員の意欲向上に効果があると答えたのは75・2%に上った。
検討委座長で、センターの事業拡大を提案した石川両一龍谷大学経済学部教授は「格差社会の深刻化や社会不安の増大で、安定雇用と福利厚生が労働意欲の向上に果たす効果が見直されつつある」と分析する。
広域化に備え、センターでは今後、自治体や事業所にも協力を求めて郡部でのサービス充実や提携店の開拓を開始。従業員300人以上の規模の企業にも加入を促す方針だ。