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ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(上) 建物被害   2016/4/19 10:20
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ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(上) 建物被害 角を曲がるたびに倒壊した家屋が目に入る。辺りには家財道具が散乱していた。15日午後、熊本県益城(ましき)町に入ると、前日の激しい揺れの爪痕が生々しく残っていた。

 益城町は隣接する熊本市のベッドタウンで人口は約3万4千人。大きな被害を受けた木山、宮園、安永、馬水などの地区は町役場の周辺にある町の中心部。家屋が密集し、幅3~4メートルの路地が複雑に入り組んでいる。

 倒壊したのは瓦屋根の古い家屋が多く、どれも1階部分が押しつぶされたようになっていた。あちこちで屋根や瓦が道をふさいでいた。

 住民らの話では、民家で犠牲となった人の多くは1階でいた。馬水地区で家屋の下敷きになって亡くなった宮守陽子さん(55)も、震度7を観測した14日の地震発生時、1階のソファで座っていたという。

 倒壊を免れた家では、多くの住民が「家の中は怖い」と外にいすを出して座り込んでいた。長年、宮園地区に住む河田三知雄さん(87)は家のあちこちにひびが入り、町役場に避難した。「大地震が来るという意識がなく、地震対策はしていなかった」と話す。

 熊本地震は16日未明の本震も含め、阪神大震災と同様の内陸活断層による直下型地震とみられている。東京大地震研究所の分析では、木造家屋の倒壊につながる周期1~2秒の揺れが強かった。

 この周期は、南海トラフ巨大地震でも強く出ると考えられている。

 東日本大震災以降、徳島県内の地震対策は津波への備えに重点が置かれてきたといえる。特に沿岸部の住民の多くは「津波からどう逃げるか」に意識が向いている。

 ただ、避難の前に揺れから身を守るのには欠かせない住宅の耐震化は進んでいない。県の制度を活用して耐震診断が行われた1万5834棟(15年12月末時点)のうち9割が耐震性を満たしていなかった。しかし、診断を受けて耐震改修をしたのは1割程度にとどまる。

 益城町では、12年に地震を想定した町民向けのハザードマップを作成していたが、発生確率は極めて低いと考えられていた。東大地震研の古村孝志教授は「阪神大震災の教訓が生かされていない。内陸直下型はどの地域でも可能性がある。そのことを踏まえ、備えを進めてほしい」と訴えている。

 熊本地震では多くの家屋が倒壊し、今もライフラインが寸断されている。その甚大な被害は、南海トラフ巨大地震が想定されている徳島でも起こり得ることだ。熊本の被災地を歩き、課題や教訓を探った。
【写真説明】激しい揺れで倒壊した建物=15日、熊本県益城町



ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(中) 被災者支援
熊本地震 徳島新聞記者の現地ルポ



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