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ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(中) 被災者支援   2016/4/20 14:05
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ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(中) 被災者支援 15日夜、熊本市内は前日に隣の益城町(ましきまち)で起きた震度7の地震の影響を感じさせないほど平然としていた。飲食店やコンビニは通常通り営業し、水や食料が売り切れるようなこともなかった。当初は益城町に限った局所的な災害に見えた。

 ところが、16日午前1時25分に起きた震度6強の「本震」で状況は一変する。夜が明けてから市内を歩くと、ビルのガラスが割れて歩道に散乱し、ブロック塀や店舗の壁が崩れ落ちていた。電気、水道といったライフラインが寸断され、学校や公園では、給水車に多くの住民が並んでいた。

 前日まで営業していた市内の飲食店やコンビニ、ガソリンスタンドは多くが閉店に追い込まれた。営業しているスーパーでは、トイレットペーパーや菓子、水を入れるポリタンクを買い求める客で長蛇の列ができた。

 17日午後、徳島赤十字病院の医師らでつくる医療救護班に同行し、熊本国府高校(熊本市中央区)を訪ねた。体育館に身を寄せていたのは約100人。住民は自宅からコメや水を持ち寄り、ガスコンロと土鍋で炊き出しをしていた。聞けば、行政の支援が届いていないという。

 同校のグラウンドは、災害の危険から逃れるための市の一時避難場所に指定されていたが、体育館は3月末まで耐震化工事をしていたため、避難生活を送る避難所には指定されていなかった。県の要請で学校が14日夜から被災者に開放していたが、支援物資の届け先からは漏れていた可能性がある。

 同校の避難所運営に携わる山本和啓(かずひろ)さん(36)=非常勤講師=は「16日の本震以降は避難者が増え、水と食料が不足している」と話した。避難者はグラウンドに椅子を並べて「SOS」の文字を作った。市から水と乾パンが届いたのは17日夕になってからだった。

 今回、被害が熊本県内に集中していたため、福岡や佐賀、鹿児島など同じ九州の近隣県から給水車や支援物資がいち早く届けられた。しかし、全ての避難所に十分行き届いたわけではなく、熊本国府高校のように水や食料が不足したケースもあった。

 南海トラフ巨大地震ではどうか。徳島など西南日本を中心に16府県が広域に被災すると考えられ、近隣府県からの支援は難しい。食料や水が届けられるまでに時間がかかることも予想される。

 県によると、県内の指定避難所は721カ所(3月7日時点)。被災状況によっては、指定避難所以外の施設が急きょ避難所として利用されることも想定される。災害時には行政も混乱し、今回のように、全ての避難所を把握できずに物資が行き渡らない恐れもある。

 2回の激しい揺れで状況が変化した今回の地震。被災者の生活環境が刻々と変わっていった熊本地震から読み取るべき教訓は少なくない。助かった命を守るためにどんな備えをすべきか、私たちは新たな課題を突き付けられたといえる。
【写真説明】断水が起き、給水を受ける住民。長い列ができていた=17日、熊本市中央区の白川公園



ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(上) 建物被害
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