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ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(下) 道路寸断   2016/4/21 09:04
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ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(下) 道路寸断 今回の地震で震度7を観測した熊本県益城町の役場は、熊本市中心部の熊本県庁から東に6キロ余りの場所にある。役場のすぐ東側には国道443号、県庁の東隣には国道57号がそれぞれ南北に走り、役場と県庁の間にも南北に延びた九州自動車道が通っている。

 いずれの国道、高速道路も、熊本県が災害時の緊急輸送路に指定している幹線道路だ。しかし、「本震」が起こる前日の15日午後2時半ごろに取材で益城町に入ると、既に役場近くの国道443号は陥没やひび割れができているとして全面通行止めになっていた。

 迂回(うかい)路となる県道には自衛隊の車両や救援物資を運ぶ車、避難する住民のマイカーがなだれ込み、渋滞が発生していた。他の県道や国道でも、消防車や救急車が渋滞につかまる場面に何度も遭遇し、車と車の間を縫うようなのろのろ走行を強いられていた。

 16日未明の「本震」発生以降は、益城町以外でも道路の通行止めが拡大していく。南阿蘇村では大規模な土砂崩れで国道57号の阿蘇大橋が崩落。道路の損壊は約100カ所に上り、全面復旧の見通しは立っていない。

 中でも緊急輸送路になっていた九州自動車道の通行止めは、本震の発生直前には益城熊本空港インターチェンジ(IC)から南に18・7キロの松橋ICまでだったが、本震以降は松橋ICからさらに18・4キロ南の八代ICまで延び、北側には益城熊本空港ICから19・1キロ先の植木ICまで拡大した。

 今も一般車両の通行止めが続く植木IC-益城熊本空港IC間で緊急車両の通行が認められるようになったのは、通行規制から丸3日が過ぎた19日午前8時43分。救急搬送や物資輸送に大きな影響が出る結果となった。

 国土交通省九州地方整備局は3月、大規模災害時にがれきを撤去するなどして緊急輸送路を通行できるようにするために必要な人員や資機材を定めた「九州道路啓開計画」を策定していた。しかし、計画で想定したのは南海トラフ巨大地震。「九州東進作戦」と名付けられていたこの計画は、熊本県の被害が小さいことを前提に組み立てられていた。

 同整備局道路部の荒瀬美和道路情報管理官は「想定していない状況だった。今後はこの経験を踏まえ、直下型地震の道路啓開も検討したい」と話す。

 徳島を含む四国でも国交省四国地方整備局が3月に「四国広域道路啓開計画」を策定している。道路の損壊や落橋、土砂崩れも想定に入っているものの、こちらも南海トラフ巨大地震に対する計画。直下型地震など想定外の事態に対応できるかは不透明だ。

 特に、徳島市方面と県南部とを行き来する車は国道55号に集中するとみられる。四国横断自動車道の徳島IC以南が開通していない中、地震の揺れによる山腹崩壊などで道路の片側でもふさがれた場合、対向車の往来で救急搬送や物資輸送に支障が出かねない。

 緊急輸送路の寸断や山間部の孤立など、徳島の地震対策に通じる課題が浮き彫りになった熊本地震。「想定外にいかに備えるか」。学ぶべきことは少なくない。
【写真説明】一般車両の横をすり抜ける消防車。熊本県内の至る所で渋滞が発生した=17日午後、熊本市北区の国道



ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(上) 建物被害
ルポ熊本地震・本紙記者が見た被災地(中) 被災者支援
熊本地震 徳島新聞記者の現地ルポ



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