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本紙記者・益城町ルポ 熊本地震1カ月   2016/5/15 14:07
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本紙記者・益城町ルポ 熊本地震1カ月 多くの家屋が1カ月前と同じく崩れたままだった。14日、熊本地震で最も被害が大きかった益城町(ましきまち)を徳島新聞記者が再び訪れた。町内の約4割に当たる約5400棟が全半壊し、3300人以上が今も避難生活を送る。「ずっと悪い夢を見ているよう」。復旧が進まぬ中、話を聞いた被災住民はいずれも、心身共に疲れ切っていた。

 町中心部に位置する住宅街の馬水地区。家屋の大半が崩れた通りで、西山直喜さん(68)が1階部分がつぶれた自宅を見つめていた。「毎日、ただ見ているだけ。1カ月たったけど何もできないのが悔しい」と言った。

 町内では家屋被害の程度を決める罹災(りさい)証明の調査が始まったが、対象物件の多さから思うように進んでいない。「町職員も被災者だから、文句は言えん」。やり場のない感情をぶつけられずにいるようだった。

 町役場に近い木山地区に移ると、村上ハナエさん(94)正孝さん(61)親子が亡くなった家の前で、親戚の村上干城(かんじょう)さん(76)と妻光子さん(74)が花を手向け、手を合わせていた。干城さんにとって正孝さんは弟のような存在だという。「今も亡くなったという実感がない。正孝君の分まで生きたい」。涙を拭い、そう誓った。

 陥没した道路は応急的に砂利で埋めており、車が通るたびに砂ぼこりが舞う。この日の最高気温は29・3度。厳しい環境の中、家の片付けをする被災者の姿が目立った。

 宮園地区の米村敏男さん(90)と妻の盛子さん(80)は半壊した家から洋服や布団を運び出していた。避難所で寝泊まりしているが「気がめいるし、病気にならないか不安」(敏男さん)。日中は家の向かいにある駐車場の車庫で過ごす。

 家の中に入れてもらった。台所では冷蔵庫が倒れ、食器が散乱していた。「もうどうしようもない」。2人は仮設住宅への入居を希望しているが、建設工事が始まったばかり。しばらくは今の生活が続きそうだ。

 夕方になると、町総合体育館の駐車場に続々と車が集まってきた。今も町全体で500人以上が車中泊を続けている。グラウンドに並んだテントでは約700人が寝泊まりしているという。

 馬水地区の大塚直斗さん(80)は4月15日から、軽乗用車内で妻と車中泊を続ける。自宅は倒壊を免れたものの、町の応急危険度判定で「危険」と判断された。

 避難所で寝ることもあるが「室内はまだ安心できない」。1カ月に及ぶ車中泊に、健康面が気掛かりだ。「早く安心して眠りたい」。祈るようにそうつぶやいた。
【写真説明】冷蔵庫が倒れ、食器が散乱したままの米村さん宅=熊本県益城町宮園





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