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徳島県内の宿泊者数 低迷続く 業界、PR戦略遅れ指摘   2017/11/17 14:02
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徳島県内の宿泊者数 低迷続く 業界、PR戦略遅れ指摘 徳島県内のホテルや旅館での宿泊者数が低迷を続けている。観光庁の宿泊旅行統計調査(主に従業員10人以上の施設が対象)では、延べ宿泊者数が2010年以降、全国最下位でなかったのは14年だけ。県は秋の阿波踊り開催や会議・イベントの誘致など施策を繰り出すものの、思うように宿泊増には結び付いていない。業界からは他県と比べ、PR戦略の遅れに対する不満も聞かれる。

 宿泊旅行統計によると、県内のビジネス客を含む宿泊者数は10~13年が全国最下位。14年は四国霊場開創1200年の節目だった影響などで奈良、佐賀両県を上回り、45位に上昇した。しかし、15年からは再び最下位に沈み、16年は約238万人と前年に比べて2・9%増えたものの、県が目標とする270万人には程遠い状況だ。

 最下位脱出へ、県は「秋の阿波おどり」やアニメの祭典「マチ★アソビ」などイベントの開催、会場経費などを助成するコンベンション誘致支援などに多くの予算をつぎ込んできた。しかし、低迷を抜け出せていない。

 要因の一つには、関西圏からの近さが挙げられる。このため観光客の多くが日帰りしたり、泊まらずに通過したりする構造的な問題がある。

 観光庁の調査では、14年に県外から徳島を訪れた日本人観光客は684万3千人で、そのうち宿泊した人の割合は10・9%(74万3千人)にとどまる。四国の他県は、香川が12・8%、愛媛が30・1%、高知が40・8%で、徳島が最も低い。

 業界関係者からは、他県と比べ徳島はPR戦略で劣るとの指摘も上がる。例えば、高知県は13年度から県全体を大家族に見立て、「高知家」として移住や観光をPRしている。16年度は1億5千万円、17年度は1億1400万円を予算化し、女優の島崎和歌子さんが出演する動画を作ったり、ウェブ広告を掲載したりと積極展開を見せる。

 香川県は11年度に始めた「うどん県」プロジェクトが7年目に突入した。17年度は予算6078万円を計上。俳優の要潤さんが「うどん県副知事」を務める動画配信や、東京都内の駅にポスターを張ったり、電車内で映像を流したりしている。

 一方、徳島のPR戦略で、他県の人にも浸透しているプロジェクトはない。徳島市内のホテル関係者は「四国の他県と比べ、徳島の力の入れ方は弱い。観光がもたらす経済効果も考慮し、もっと関心を持って取り組んでほしい」と言う。

 官民の連携の悪さを指摘する声も多い。県西部の観光事業者は「海外からのチャーター便やインバウンド(訪日外国人旅行者)、近隣県の宿泊施設に関する情報が行政から入ってこない。官民一体と言うが、情報がなければ一体になれない」と、行政の情報提供体制への不満を訴える。

 観光庁の旅行・観光消費動向調査(16年)によると、徳島県内への日帰り客が使ったお金は1人当たり約1万3千円なのに対し、宿泊客は3・5倍の約4万6千円だった。

 宿泊客がもたらす経済効果はホテルや旅館にとどまらず、飲食業やサービス業など地域のあらゆる産業に波及する。人口減が進む今、人と消費を呼び込む観光は重要な産業だ。観光後進県からの脱却に向け、施策の見直しが迫られている。
【写真説明】今年から開催日を1日増やした「秋の阿波おどり」=11月3日、アスティとくしま





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