徳島新聞Web

1月23日(月曜日)
2 2
23日(月)
24日(火)
鳴潮
1月23日付
このエントリーをはてなブックマークに追加

 寡黙な人の心中を推し量り、それを言葉にするのは難しい。大関稀勢の里はその一人だが、相撲ファンならずとも、多くが彼の心中を言葉にしたに違いない。「おめでとう」を添えて

 おととい、優勝決定を聞き、取材に応じた稀勢の里の右目からこぼれ落ちた一筋の涙。テレビ観戦していた人たちの目頭も熱くしたのではないか。言葉少な、寡黙でも一筋のしずくは喜びを、感謝を雄弁に語っているように見えた

 ここ一番に弱い、無冠の大関。何しろ、先場所まで幕内優勝力士に次ぐ成績は12度もあった。賜杯に何度も近づきながら、最終盤になると、遠のいてしまう。あと一つで届かない、悔しさやもどかしさをたくさん味わってきた

 それも今は、もう過去のこと。今場所、「稀(まれ)なる勢いをつくってほしい」という願いが込められた、そのしこ名の通り、初賜杯を勝ち取ったのだから。きのうの千秋楽も、鍛えられてきた横綱白鵬に粘り強い相撲で勝ち、心技体の充実ぶりを見せた

 優勝インタビューでは、寡黙な大関の両目から涙がこぼれた。「おしん横綱」と呼ばれた先代師匠の故鳴戸親方(元横綱隆の里)も、もらい泣きしていただろう

 横綱昇進も確実にした稀勢の里。30歳での大願成就はくしくも師匠と同じだ。けいこを、教えを力に変え続ける新横綱の土俵を心待ちにしたい。

メニュー
 徳島ヴォルティス        高校野球
 社説        鳴潮           号外       地震
 ニュースリリース           不審者
 人事       訃報