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7月26日(火曜日)
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鳴潮
7月26日付
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 山下泰裕(柔道)、瀬古利彦(マラソン)、八木たまみ(女子走り高跳び)。1980年のモスクワ五輪代表選手だ。開催国ソ連のアフガニスタン侵攻に反発した日本や米国などが参加せず、幻の代表となった

 無敵、優勝候補、入賞なるか-。期待された選手はモスクワの舞台に立てず、山下は84年のロサンゼルス五輪で念願の金、瀬古はその後二回の五輪でメダルを逃し、八木が五輪の舞台に立つことはなかった

 五輪史に残る悲劇は、一度では終わらなかった。ソ連や東欧諸国は報復でロス五輪をボイコットする。二度も五輪から東西の名選手の勝負が消えたのである。選手の一生の夢とともに

 よもやこんな形で参加問題が再燃しようとは。リオデジャネイロ五輪を前に、世界反ドーピング機関がロシアの国ぐるみの不正を指摘した。2014年ソチ冬季五輪での検体すり替えなど、不正は多岐に及ぶ

 だが、国際オリンピック委員会はロシアの全面的締め出しを回避した。厳しい条件をクリアした選手の参加を容認するという

 判断に賛否はあるが、選手にとって五輪は生涯の夢舞台。潔白な選手に連帯責任を負わせるのは酷だ。山下、瀬古、八木の3選手はほんの一例にすぎない。政治の横暴も国威発揚のための不正も、もうこりごりだ。五輪史を汚すようなことがあってはならない。

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