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10月18日(水曜日)
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鳴潮
10月17日付
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 作家三浦綾子さんの作品の多くは口述筆記で生み出された。病身の妻を支えたのは夫の光世さん。この第一の読者はめっぽう厳しい。「やり直しを嫌ったら、よい仕事はできない」と
 
 古今の作家の「しめきり」にまつわる文章をまとめた「〆切(しめきり)本」(左右社)に、その様子が出ている。書き直しは好きではなかったが、命じられるたびに口述し直し、締め切りを守った。夫の忠告がなければ、作品の出来は、かなり違ったものになったのではないか
 
 口述し直すということは、筆記し直すということでもある。一字一句誤らず、言われた通りに原稿用紙の升目を埋めていくのは大変な作業だ。<誰よりも三浦本人が知っている。その苦労を厭(いと)わぬ三浦に感謝する>
 
 神戸製鋼所が、製品データの改ざんに揺れている。問題のある製品は自動車や鉄道、航空宇宙、防衛と幅広い産業で使われ、影響は国内外に及ぶ
 
 納期の遅れや不良品の増加に対する懸念が背景にあった、とも指摘されるが、過去にも不祥事を繰り返しており、品質軽視は、もはや会社の体質というほかはない
 
 競争に打ち勝ち、品質の高さを守り続けるのは大変な作業だろう。<その苦労を厭わぬ人>が、国を代表する「名門企業」にいないはずはないのだが。日産自動車の無資格検査といい、ものづくり日本、何かがおかしい。

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