徳島新聞Web

12月15日(金曜日)
2 2
15日(金)
16日(土)
鳴潮
12月14日付
このエントリーをはてなブックマークに追加

 終戦の詔勅にある有名な一節「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」は和歌山県出身の高僧・山本玄峰(げんぽう)師の言葉だという。玄峰師、若いころは目の病気に苦しんだ。治癒を願っての四国遍路のさなか、行き倒れて、救われたのがきっかけで得度した

 95年の人生で数々の名言を残している。その一つ、「心痛はしてならぬ。が、心配は大いにせよ」。心を痛めて益はない。しかし「心配」は心を配ることである。千々に砕いて配らなければならぬ(「禅語百選」祥伝社)

 広島高裁は四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転を差し止める決定をした。熊本県の阿蘇で大規模な噴火が起きた際、火砕流が到達する可能性が小さいとはいえず、立地には適さない。そう判断した

 火砕流が豊後水道を越え、細長い佐田岬半島をのみ込み、付け根にある伊方に届く。噴火といっても国が滅びかねないほどの規模である。発生は万年単位。考慮すべきなのか、高裁も疑問を呈するが、原子力規制委員会が設けたルールに厳格に従えばそうなるという

 過剰な心配といった批判もあろう。ただ、過去の事故は心配が足りずに起きたことも忘れてはいけない。起これば取り返しがつかないのである

 原発には、まだ万年単位の難題がある。いわゆる「核のごみ」の問題だ。対処は不可避。心配は尽きぬ。

メニュー
 徳島ヴォルティス        高校野球
 社説        鳴潮           号外       地震
 ニュースリリース           不審者
 人事       訃報