年末になると、ベートーベンの「第九」交響曲が全国各地で演奏される。ドイツに倣って、とされるが、なぜ年末なのか、はっきりした根拠はないようだ
「第九」日本初演の地は、言わずと知れた鳴門市の板東俘虜(ふりょ)収容所。九十年前の一九一八年、ドイツ兵によって初演された。世界初演は、それより百年近くさかのぼる一八二四年。指揮者とともに、ベートーベンも指揮棒を振ったとされる
大成功の初演だったが、当時すでに聴力を失っていたベートーベン。聴衆の拍手が聞こえず、体を客席の方に向けられて初めて、成功に気づいたと伝えられる
ベートーベンといえば、「第九」と並んで有名なのが交響曲・第五番「運命」。こちらは一八◯八年、ベートーベンの指揮で第六番「田園」とともに初演された。しかし、練習不足や会場の寒さが原因で、評判はさんざんだったようだ
きょう十二月二十二日は、その初演から二百周年に当たる。ちなみにタイトルの「運命」は、曲の出だしの“ダダダダーン”に関して、ベートーベンが「運命はこのように扉をたたく」と語ったことから名付けられた。ただ、日本だけのタイトルで、外国では通じないそうだ
その劇的な旋律から、ベートーベンの最高傑作の一つに数えられるこの「運命」。“ダダダダーン”と、不況ムードも吹き払えないものか。
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