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鳴潮
9月18日付
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 神戸生まれで徳島育ちの社会運動家・賀川豊彦(1888-1960年)が、戦後間もない47年と48年にノーベル文学賞の候補になっていたことが分かった

 ノーベル平和賞候補だったことはよく知られているが、文学賞候補の話は初めてだ。候補者の名を50年間公開しない方針のスウェーデン・ノーベル財団が、公式サイトに掲載して判明した

 賀川は労働組合運動や生活協同組合運動、平和運動などにエネルギッシュに取り組む一方、大正時代に出した自伝的小説「死線を越えて」が大ベストセラーになった。文学賞候補に推薦したのは、スウェーデンの有識者だそうだ。賀川が海外でもよく知られていた証しだろう

 賀川は神学校の学生だった1909年から神戸のスラム街に住み込み、貧民救済活動に全力で打ち込んだ。「献身100年」に当たる今年、神戸と東京、徳島でさまざまな記念事業が行われている。「死線を越えて」の復刻版が刊行され、映画「死線を越えて-賀川豊彦物語」も県内で巡回上映中だ

 生涯、社会的弱者の側に立って献身的な活動を続けた賀川。「国民の生活重視」を掲げ、きのう始動した鳩山内閣も、賀川に学ぶところは多いだろう

 「献身」が「保身」になれば、たちまち国民の信頼を失う。これは、きょう総裁選が告示される野党の自民党にとっても同じである。

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