唯一の被爆国である日本としては、今年のノーベル平和賞の授賞決定を、最大級の賛辞と喜びをもって受け止めるべきなのだろう。それでも「ちょっと早過ぎるのではないか」との思いを禁じ得ない
世界で最も権威ある組織から平和の「冠」を授けられる本人でさえ、「驚きとともに深く謙虚な気持ちで受け止めている」「正直に言うと、私が(受賞者の列に)加わるに値するとは思わない」と戸惑いをみせたほどである
それもそのはず「核兵器なき世界」の実現も、温室効果ガス削減への明確な道筋も、最も解決困難とされる中東和平を含めた国際協調路線も、理想の達成に向けた努力は緒に就いたばかりなのだ
確かに、核大国の指導者がプラハ演説で核兵器廃絶に言及したのは画期的なことであり、混迷の度合いを深める世界に将来への希望をもたらしたのは間違いない。それが純情な平和主義ではなく、自国の安全保障を念頭に置く現実主義に根差したものであったとしても
ノーベル平和賞という最高の栄誉には、重い責務も伴う。北朝鮮やイランの核問題など、困難な外交課題にどう対処し、解決への道をいかに開いていくか
オバマ米大統領の前途には、掲げたビジョンの具現化という試練が待ち受けているが、確かな足取りをみせてほしいものだ。日本も全力で後押ししなければなるまい。
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