「羊頭狗肉(くにく)」という。羊の頭を看板に出しながら実際には狗(いぬ)の肉を売ることから、見かけは立派だが実質が伴わないこと(広辞苑)を指す
「民主党のマニフェストは羊頭狗肉だ」。野党になった自民党の谷垣禎一総裁が、そう切り捨てた。鳩山由紀夫首相の所信表明に対する代表質問。八ツ場(やんば)ダム建設中止問題や米軍普天間飛行場移設問題などでの民主党の対応を批判してのことだ
いかにもまじめな谷垣氏らしい質問ぶりだった。受けて立った鳩山首相。「羊頭狗肉とは思っていない」などと答えたものの、所信表明の域を出ず、谷垣氏が肩すかしを食った格好だ
「普天間移設について10年以上結論を出さなかったのはどの政党か」「こんな財政にしたのは誰なんだということです」。そう切り返されると、谷垣氏も反論のしようがないだろう
八ツ場ダム問題にしても、公共事業を最優先してきた自民党政治のツケが民主党に回った感は否めない。天に向かって唾(つば)す。やぶ蛇。民主党を批判するたびに、自民党はそんなジレンマに悩まされるのだろう。のれんに腕押しの悲哀も存分に味わったのではなかろうか
一方、閣僚の発言が食い違うなど、迷走ぶりが目立つ民主党。こんな状態がいつまでも続くようだと、国民からも「羊頭狗肉」と批判を浴びかねない。羊の肉をしっかりと売る努力が必要だ。
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