「ウェルかめ」やってますねえ-。東京で開かれた新聞社の論説委員の会合で、何人かに、そう声をかけられた
熊本のTさんは「ヒロインの倉科(くらしな)カナさんは、熊本の出身なんですよ。徳島でも人気、出てますか?」。秋田のOさんは「ヒロインも同じ記者だから、関心を持って見てますよ」。まさか東京で「ウェルかめ」の話が出るなど思いもしなかったが、徳島が話題になるのは、やはりうれしいものだ
極めつけは翌日、新国立美術館で見た日展でのこと。日本画の入選作の中に、ウミガメを画面いっぱいに描いたのがあった。その前に立ったお年寄りの独り言。「『ウェルかめ』だねえ」。全国には毎朝、この番組を楽しみにしている人たちが少なからずいるのだろう
帰県して「ウェルかめ」の録画を見る。ヒロイン・波美(なみ)の書いた原稿がようやく採用される回だ。波美の喜びがじかに伝わってくる。テレビを見ながら秋田のOさんの言葉を思い出した
誰にだって駆け出しの時代がある。筆者もそうだ。初めて書いた記事はわずか3、4行の催し案内。記事とも呼べないようなその原稿が、活字になったときのうれしさを今も忘れない
波美もまた、挫折と喜びを繰り返しながら、少しずつ成長していくのだろう。東京で予想外の反響に出合って、ますます応援したくなった「ウェルかめ」である。
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