ナンバーワンといえば響きがいい。興味もそそられるものである。自立式電波塔では世界一の高さになる。そう聞いて先日、上京した際に建設中の「東京スカイツリー」を見に出掛けた
浅草から東武伊勢崎線で一駅。業平橋のホームに降りると、すぐそこに見えた。今はどれぐらいの高さだろう。考えながら改札に向かうと「現在の高さは205メートル」との張り紙があった。完成する2012年春には634メートルになる
スカイツリーは当初、約610メートルと公表されていた。ところが、中国で建設中のテレビ塔が610メートルになると分かり、高さを再検討。世界一へと思い付いたのが、先端のアンテナ部分を24メートル背伸びさせる“奥の手”だった
そんなスカイツリーはハイテクの塊と思いきや、五重塔の技も生かされている。五重塔は心柱と各層が異なる動きをすることで揺れを抑えると考えられている。スカイツリーは、その仕組みを再現した耐震構造という
デザインにも、日本らしさが盛り込まれている。それは、しなやかな切れ味の日本刀が持つ「そり」であり、寺社の柱の中央を緩やかに膨らませている「むくり」だという
高さ競争ではいつかは抜かれる。それよりも、古来の「知恵」と「美」を生かしていることをもっとアピールしてはどうか。「伝統をさりげなく詰め込んだ世界一の電波塔だ」と。
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