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鳴潮
8月28日付
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 「さすがは革命的なロケットだ。飛ばないんだもの」。口の悪い隣国のインターネット利用者なら騒ぐのだろうか。放っておけばいい。新型ロケット「イプシロン」はいずれ飛ぶ。高性能とコスト削減を両立させた日本の技術力は、それほどやわじゃない

 あるはずのないものがそこにある、時の流れが止まったような中継画面を見ながら、思わずそんなことを考えた。米国のアポロ計画を引くまでもなく、技術の粋を集めた「ロケット」には国粋主義的な心情が宿るのかもしれない。北朝鮮が事実上の長距離ミサイルにこだわるわけである

 イプシロンは少人数、短期間、小さな設備で打ち上げるのが特徴だ。これまで手作業だった点検は、人工知能を搭載したロケットが自分で行う。「今から飛ぶには、ちょっと姿勢が悪い」といった具合に、大事な情報を自己申告するのである

 発射場での組み立てから打ち上げまで1週間と、従来の6分の1に縮めた。発射管制に使うのは2台のノートパソコン。100人近く必要だった職員も少人数で済む。得意のITを駆使した日の丸ロケットには、他に例のない革新的なアイデアが満載されている

 将来この方式を世界標準に、と意気込む宇宙航空研究開発機構は、出ばなをくじかれた格好である。だが、まだ始まったばかり。道のない荒野を行く人たちをなじるのは不見識というものだろう。

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