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10月20日(金曜日)
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鳴潮
8月24日付
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 人の生死に関わる仕事に就こうとする若者に一度は行ってほしい場所がある。東京・羽田にある日本航空の安全啓発センターだ
 
 32年前の8月に、520人が犠牲となった日航ジャンボ機墜落事故の遺品類が展示されている。乱高下する機内で乗客、乗員が書き残したメッセージ。乱れた筆跡が痛々しい
 
 「ママこんな事になるとは残念だ/さようなら/子供達の事をよろしくたのむ」。当時52歳の河口博次さんが妻子にあてた219字が熱く胸に迫る。再発防止の一点で、遺族が展示を了解した
 
 この惨事から30年さかのぼる1955年夏。森永乳業徳島工場(石井町)を発生源とする森永ヒ素ミルク事件が起きた。130人が急性中毒で亡くなり、後遺症に苦しむ多くの被害者を生んだ。きょう24日は岡山大によって被害が公表された日である
 
 7月ごろには、わが子の異常を訴える多くの母親が西日本各地の開業医や大病院を訪れていたという。「森永の粉ミルク飲用」という患者の共通点に気づき、行政に伝えた医師もいた
 
 なぜ、もっと早く広く、母親たちに危険情報を知らせなかったのか。「森永ひ素ミルク中毒の被害者を守る会」によると、この1年で新たに40人弱が亡くなった。62年も昔のこと、今ならそんな悲劇は起きないと断言できるだろうか。惨事を風化させてはならない。

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