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鳴潮
8月28日付
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 つぶれた船体の一部や今も形を保っているいかりの底部は、第2次世界大戦の遺物だ。終戦の少し前、日本軍の潜水艦に魚雷で攻撃されて沈没した米巡洋艦インディアナポリスの船体が、フィリピン沖の海底で見つかった
 
 撃沈されたのは、巡洋艦が太平洋のテニアン島に原爆の部品を運ぶ極秘任務に従事した後だった。時既に遅し。この部品を使った原爆は広島に投下され、約14万人が亡くなった
 
 戦後72年。戦争や紛争は絶えず、平和はまだ遠くにある。北朝鮮の核・ミサイル開発を巡り、トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長がにらみ合う状況だ
 
 どこか、既視感がある。米国と旧ソ連が核戦争の瀬戸際までいった1962年のキューバ危機。当時のケネディ米大統領は大戦中、乗っていた魚雷艇が日本の駆逐艦と衝突して沈没し、波間を漂った経験がある。対峙(たいじ)した旧ソ連のフルシチョフ首相も大戦に参加している
 
 2人は戦争の悲惨さを肌で知っていた。その体験が土壇場で核戦争を回避し、人類を救ったとも言える
 
 歴史は時折、遺物となって現れ、語り掛ける。戦争になればどんな国も無傷では済まない。まして核保有国の米朝が戦えば周辺国の被害は甚大だろう。先人の声に耳を澄ます時だ。トランプ氏は過去の教訓に学び、超大国の指導者として平和解決に導いてほしい。

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