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鳴潮
9月6日付
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 九州北部豪雨で夫を亡くした福岡県朝倉市の浦塚フミ子さん(67)の言葉を、何度も思い返す。「お父さんが命を懸けて守ろうとした家。この土地を離れたくない」
 
 飛鳥時代、斉明天皇が朝鮮半島の百済(くだら)に援軍を送ろうとした際、仮宮を設けた由緒ある土地である。穏やかな田園地帯が広がる。浦塚さんは夫茂弘さんの定年後、夫婦で柿や野菜を育て出荷していたそうだ
 
 山際に車を走らせると風景は一変した。普段はおとなしい谷川なのだろう。それが家屋や田畑をのみ込み、泥の帯になっている。死者・行方不明者が市内で30人を超した7月5日の豪雨から2カ月がたっても、深い傷が残る
 
 976戸が全半壊、372戸が床下浸水した。道路が土砂でふさがれて通行止めとなり、復旧が手つかずの地区もある
 
 市災害ボランティアセンターの集計では、夏休みが終わり、ピークで2千人以上いたボランティアが300人を切った。「作業終了がいつになるか見通しが立たない。住宅の泥だしなどに、もっと人手がいる」と支援を訴える
 
 西日本新聞によると、300年前に起きた同様の水害の記録が寺の古文書にあった。寺は、洪水とは縁遠いと思われていた浦塚さん宅のそばにある。倒れても立ち上がり、町の歴史は続いてきたのである。そして続いていく。まだまだ手伝えることがある。

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