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鳴潮
9月10日付
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 人類が「音の壁」を超えたのは意外に早い。公式には1947年、米軍パイロットのチャック・イエーガーさんが記録している。マッハ1・015、ライト兄弟の初飛行から44年後のことだった
 
 陸上100メートルの「10秒の壁」を破るのはこれよりも遅い。現行の電気計時では68年、米のジム・ハインズ選手がメキシコ五輪で出した9秒95。近代五輪最初の記録が12秒だから、2秒と少し縮めるのに70年余りかかっている
 
 陸上男子の桐生祥秀選手が、日本人で初めて10秒の壁を突破した。9秒98の記録は、桐生の名とともに長く語り継がれることになるだろう。98年に伊東浩司選手が10秒00まで迫りつつ、歴代のエースが何度も挑戦しては、はね返され続けた壁なのである
 
 高校3年で10秒01を出して注目されたが、大学進学後は故障にも泣かされた。代表入りを逃して観客席でライバルの走りを見たことも。大学最後、今季最後のレースで夢の扉を開いた
 
 ただ、「日本人最速」の称号はすぐに奪われるかもしれない。短距離界には、次々と有望選手が登場してきている。リオデジャネイロ五輪のリレーでの活躍は記憶に新しい
 
 「やっと世界のスタートラインに立てた」と桐生選手は言う。東京五輪まであと3年。自分の記録は自分で塗り替えたい。世界との戦いは、まだ始まったばかりだ。

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