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10月17日(火曜日)
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鳴潮
9月21日付
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 野生となれば、もっと古くからいたようだが、飼い猫が日本に入ってきたのは奈良時代。中国から仏教経典を輸入する際、ネズミの害を防ぐため、船に乗せたのが始まりだとか
 
 大幅に減少したとはいえ、県内で昨年度、329匹(犬567匹)が殺処分された。そんな現代では考えようもない。猫は長らく、やんごとないお方がかわいがる希少動物だった。だから犬のように、綱につながれていた
 
 物語集「御伽草子(おとぎぞうし)」の記述を信じれば1602年8月、今では相当問題のあるお触れが京都に出ている。「猫の綱を解いて、放し飼いにせよ。違反すれば厳罰に処す」。猫は喜んだものの、かくして野良も生まれることに
 
 で、話は始まる。悲しんだのは、猫に追い回されるネズミである。衆人の尊敬を集める出家者の夢に現れ、慈悲を請う。翌日、今度は猫が抗議にきた。「殺生するな、とおっしゃるが、人に米を与えたように、天は食物として猫にネズミを与えたのです」
 
 もはや退散とネズミたち。「それでも猫も近ごろは、犬に追われて散々な目に遭っている。これも報い、いい気味だ」
 
 その犬も、無慈悲に捨てられる21世紀である。因果は巡る。ひとり人間だけが、そこから自由なわけはないのだが。<鼠(ねずみ)とる猫のうしろに犬のゐてねらふものこそねらはれにけり>。動物愛護週間中。

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