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鳴潮
9月22日付
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 一周忌が過ぎても、話芸の達人が話題になる。放送タレントの永六輔さんがCMキャラクターを担当した「浅田飴」の未公開の音源が見つかった。ラジオCM用のデモテープで永さんが自ら考えた約10秒のキャッチコピーを読み上げたものだ
 
 こればかりではない。昨年の「お別れの会」でのこと。孫の拓実さんは激しく泣いている若い女性を見掛ける。声を掛けると、いじめに遭って死のうとしたが、ラジオから流れる永さんの声を聞き、思いとどまったという
 
 この話をきっかけに、拓実さんは、祖父と親交の深かった約30人を訪ね歩く。「大遺言」(小学館)としてまとめた
 
 しみる名言に、小話が入る。親友の黒柳徹子さん。回転ずし店に座るなり、隣席に積み重なっている皿をとって「はい永さん、取り皿」と。隣のおじさんが「それは僕のです」と言うと「これはお店のお皿でしょう」と黒柳さん。「お店のお皿ですけど、僕のお皿なんです」とおじさん。永さんが病気の妻を大笑いさせる最後の話になったそうだ、とある
 
 作詞した「見上げてごらん夜の星を」は夜間学校に通う学生に、「上を向いて歩こう」は安保闘争に負けた若者に。弱い立場の人を励ます歌だった
 
 死のうと思っている人を思いとどまらせ、病気の人を笑わせる。その言葉、話芸は読む人、聞く人の薬になる。

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