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10月20日(金曜日)
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21日(土)
鳴潮
10月1日付
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 母の願いは息子に一目会いたい。<おまイの。しせ(出世)にわ。みなたまけました。わたくしもよろこんでをりまする…はやくきてくたされ。はやくきてくたされ>

 福島県猪苗代町の野口英世記念館に展示されている母シカの手紙。いろりで大やけどし左手が不自由になった英世に、学問で身を立てよと諭した。働きづめで苦労の多かった、その人生を思う

 英世は細菌学を研究し、国際的に活躍。ノーベル賞候補にもなった。黄熱病の研究などで知られる偉業とともに、そんな母子の物語を紹介しているのが、細菌学の第一人者であり、美馬市脇町生まれの竹田美文・野口英世記念会副理事長だ

 コレラや赤痢といった下痢の研究は半世紀に及ぶ。東大や京大で教授、国立感染症研究所長も務めた。古希を過ぎた2007年からは5年間、インド・コルカタに駐在した。81歳。今は、修学旅行で記念館を訪れる子どもたちに、事前の出前授業も行っている。求められれば喜んで徳島にも出向く、と

 東日本大震災に伴う福島原発事故で一時減った修学旅行だが、年間400校に回復してきた。来年は、シカの没後100年、英世は90年になる

 苦難をどう乗り越えてきたのか。教えたいことは山ほどあるが、竹田さんが一番に伝えたいのは、英世が好んで書いたという言葉。「忍耐」である。

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