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鳴潮
10月6日付
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 北海道で黒いキツネが見つかったそうだ。調べてみると、時々現れるようで、4年前の本紙にも「住民の間で人気者になっている」と出ていた。突然変異とも、毛皮用に飼育された品種の子孫ともいわれる

 「動物になって生きてみた」(河出書房新社)の著者、英国の作家チャールズ・フォスターさんは、獣医師にして哲学者、オックスフォード大の研究者と多彩な顔を持つ。昨年、イグ・ノーベル賞生物学賞を受けた

 そのユニークさに世界が太鼓判を押すだけあり、「なってみた」方法はすさまじい。ミミズを口へ放り込み、巣穴を掘ってアナグマになる。カワウソに倣って川を行き、アカシカのように猟犬に追い掛けられ、アマツバメとともにアフリカへ羽ばたく

 最も近づけたのがキツネだという。トラックの音が響く道路脇で眠り、一緒にゴミ箱をあさる中で、大都会のロンドンに暮らすキツネすら狩りにこだわっていることに気づく

 こんな感想を漏らしている。<キツネはキツネらしくあり続けるのに対し、すっかり都会化した人間は最適な人間であり続ける危機に瀕(ひん)している>

 黒いキツネの出現も日々消費されるエピソードの一つではあるが、せっかくだから何かを考える機会にしたい。自然とともに生きた北海道の先住民、アイヌの人々ならば、きっとそうしたはずである。

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