徳島新聞社海部支局 4月開設 最南端の情報を広く発信

 徳島新聞社は4月1日、美波(旧日和佐)支局と牟岐支局を統合し、牟岐町中村に「海部支局」を開設する。統合の主な理由は南海トラフ巨大地震対策。災害時でもニュースを発信できる体制を整え、読者のニーズに応える。

海部支局の完成予想図

 海部支局は、本村地区にある現在の牟岐支局から西約700メートルにある山田地区に開設する。最南端の支局で、記者2人が海部郡内の事件・事故、行政、地域の話題などを取材する。

 現在の牟岐、美波両支局は、県の津波浸水想定区域に含まれ、災害時に取材の拠点機能が失われる可能性が高い。海部支局は海抜約10メートルに建設され、津波浸水想定区域の外になる。

 建物は鉄骨2階建て延べ330平方メートル。1階は事務所、2階は住居スペースになる。地下にはコンクリートの土台を埋め込み、耐震性能を持たせる。屋上にソーラーパネルと蓄電池を設置し、災害時の電源が確保できるようにした。

 事務所には約20平方メートルの会議室を設置。災害時に応援に駆け付けた記者の取材拠点となる。牟岐、美波両支局の記者は各1人だったが、海部支局では2人にした。緊急時は迅速に対応でき、連携して濃密な取材もできる。

 現在の牟岐、美波両支局は1973年6月に開設。44年間で両支局に計20人以上が勤務し、郡内のニュースを発信してきた。

 徳島大環境防災研究センター

   中野晋センター長 住民意識向上 後押しを

 南海トラフ巨大地震発生時に甚大な被害が予想される海部郡を担当する海部支局は、先進例や課題などを県民に広く発信する役割を担う。災害に備え、どのような報道が求められているのか。徳島大環境防災研究センターの中野晋センター長に意見を聞いた。

 -海部支局は津波に備え、津波浸水想定区域の外に建設される。

 災害時の報道体制が整備され、意義のあることだ。正しい被害状況を県民に伝える役割を徳島新聞は担っており、最南端の拠点機能が失われ、取材できなくなるのは困る。大災害が起きても最前線の情報をとどめることなく発信してほしい。

 -期待することは。

 住民を後押しする役割を担ってほしい。災害に対し、住民が意識し、対応力を上げることが最も重要になる。国や行政が整備したハードやソフトを住民がどのように活用していくのかが問われるが、新しい仕組みができてもなかなか住民まで届かない。その距離を埋めるのが報道機関だ。

 -具体的には。

 昨年11月から気象庁が運用を始めた「南海トラフ地震に関連する情報」では、発表時に自治体として何をしたらいいか、住民がどう行動すべきなのか、整理できていない。発表時の対応について地域で共通認識を持っていなければならず、こうした制度の啓発でも力を発揮してもらいたい。

 海部郡でも発生の恐れがある中小河川の氾濫や土砂災害などに関しても丁寧な取材が必要だ。住民の防災活動も新聞で取り上げられると、新たな動きが生まれてくる。各地域にくまなく足を運び、さまざまな取り組みを発信してほしい。

現支局開設後の3町の歩み

 牟岐町 
 1973年 徳島新聞牟岐支局が開設
   74年 南阿波サンラインが全線開通
   85年 県立牟岐少年自然の家が開業
   88年 貝の資料館モラスコむぎが開館
   94年 町海の総合文化センターが完成
 2008年 牟岐大島のハマサンゴを「千年サンゴ」と命名
   09年 町出身のフラメンコ舞踏家・小島章司さんが文化功労者を受賞
   13年 牟岐小と河内小が統合し、川長市宇谷に新校舎
第1回出羽島アート展
   16年 出羽島集落が重要伝統的建造物群保存地区に選定
 美波町(旧日和佐・由岐町)
 1973年 徳島新聞日和佐支局が開設
   85年 日和佐うみがめ博物館カレッタ開業
   87年 第1回由岐ごっついマンレース
   88年 日和佐町で日和佐海亀国際会議開催
   91年 第1回由岐伊勢エビまつり
   94年 日和佐町で日本ウミガメ会議開催
   95年 日和佐町がウミガメ保護条例制定
 2000年 第1回ひわさうみがめトライアスロン
   06年 日和佐町と由岐町が合併して美波町発足
   09年 町が舞台のNHK連続テレビ小説「ウェルかめ」放映
   11年 地域高規格道路・日和佐道路が全線開通
   16年 町立美波病院が開院
 海陽町(旧海南・海部・宍喰町)
 1979年 宍喰町の化石漣痕(れんこん)が国の天然記念物に指定
   81年 宍喰町で第1回宍喰ミュージックマラソン
   82年 海部町で第1回母川ホタルまつり
   88年 宍喰町で海中展望船「ブルーマリン」就航
   90年 海南町の轟の滝が日本の滝100選に選定
   92年 阿佐海岸鉄道・阿佐東線が開業
   93年 海南町に蛇王運動公園の野球場が完成
   95年 宍喰町で海洋自然博物館マリンジャムが開業
 2003年 宍喰町出身で元プロ野球監督の上田利治さんが野球殿堂入り
   04年 日和佐、海南、宍喰商業が統合して海部高校が開校
   06年 海南、海部、宍喰町が合併して海陽町が発足
   09年 第1回海部川風流マラソン
   10年 宍喰町出身の尾崎将司さんがゴルフ世界殿堂入り
   12年 阿佐東線でDMVの走行試験を実施

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