J2史上最大の混戦!? ヴォルティス上位に食い込めるか

サッカーの明治安田J2が、これまでにない混戦となっている。徳島ヴォルティスは、第17節終了(6月5日時点)で7勝6分け4敗の勝ち点27で7位と、数字だけ見ると昇格プレーオフラインに届いていないが、首位・福岡との勝ち点差は6とそう大きくない。J2創設後、17試合消化時点での首位と7位の勝ち点差をみると、最小だったのは2012、16年の8で、今季はそれよりも小さい。勝ち点差9まで広げると、今季は全22チームの半数を超える12チームがひしめいており、大混戦の様相を呈している。

福岡戦で決勝ゴールを挙げた内田(左)=5月3日、鳴門ポカリスエットスタジアム

◆節ごとに入れ替わる首位

今季第17節を終えた時点で、首位に立ったチームは全部で7チーム。現在の首位は福岡だが、第13節以降、毎節入れ替わっている。10~12節は横浜FCだったが、13節では湘南が首位に躍り出た。14節に横浜が返り咲いたものの、15節は福岡、16節は名古屋となり、17節では再び福岡が首位を奪い返すというように、めまぐるしく入れ替わっている。昨季は13節で首位に立った札幌が、シーズン終了後までトップを守りJ1に昇格した。

今季は、首位争いをしているチームが下位に敗れる試合が少なくない。3位名古屋は第9節で現在最下位の山口、17節で18位の金沢に敗戦。4位湘南も、第6節で21位の讃岐に敗れ、今季初黒星を喫した。16節で首位に立っていた福岡は、復調気味の20位群馬に屈した。現時点で比べるのは時期尚早かもしれないが、昨季J2を制した札幌、2位の清水が、21位金沢と22位北九州に対し、札幌は2勝2分け、清水は4勝と無敗だったのと比べると対照的だ。

2012年にJ2が現在と同じ22チームになり、J1昇格プレーオフや下部リーグへの自動降格制度が導入されて以降、混戦が顕著になっている。徳島の選手、監督も「どこに勝つのも簡単ではない」と口をそろえるように、上位と下位の実力差は接近。今季は飛び抜けた力を持つチームがなく、現在、首位の勝ち点は33と、17試合消化時点ではJ2史上最も少ない。どのチームも勝ちきることは簡単ではない。

1-1で終え、4試合連続の引き分けとなった讃岐戦後、厳しい表情の選手たち。どこのチームにも勝ちきるのは難しい。=5月27日、鳴門ポカリスエットスタジアム

◆下位チームが復調、混戦に拍車か

上位4チームは勝ち点2差で競り合い、その後も小差で続く。昇格プレーオフ進出ラインでも6位東京Vの勝ち点27に対し、7位徳島、8位愛媛は勝ち点では並ぶ。そこから12位京都までが3差にひしめき、し烈な争いとなっている。

下位でも開幕からの不調を抜け出し、上昇気配のチームがある。11試合勝ちなしだった群馬は元韓国代表FWが加入し、6試合で4つの白星。ともに最近10試合負けなしの水6戸、京都は、それぞれ10、12位と順位を上げてきた。昨季、最後までJ1自動昇格を争った松本など力があるチームがまだ下位にいて、リーグ戦がさらに混戦となる可能性もある。

◆徳島は6試合ぶり勝利 心身リフレッシュに努め苦境打開

徳島は、第13~16節を4試合連続で1―1と引き分け、勝ちきれない状況が続いていたが、前節、群馬から6試合ぶりの白星を挙げた。引き分けが続く中、ロドリゲス監督は技術面だけでなく、疲労回復やメンタル面の改善を図ってきた。今季の戦いは、適切な位置でボールを保持し、数的優位をつくりながら主導権を握るスタイルで、多くの運動量を必要とする。シーズンが進むにつれ、選手たちからは疲れも感じられた。長期のリーグ戦を見据える中「疲労のコントロールも重要」として、普段の練習の負荷を変えたり、試合前のウオーミングアップでも時間の短縮や負荷を軽くしたりするなど気を配ってきた。

フィジカルだけでなく、メンタル的なところにも勝てない要因があるかもしれないとみて、選手たちがフレッシュな状態で、楽しんでプレーできるように心掛けてきた。「勝てないからと不安になって直前の日まで練習を続けると、試合でも悪くなってしまう」とロドリゲス監督。1週間の練習の組み立てを変え、戦術的な練習をしていた日をリラックスできるメニューに切り替えるなどした。そういった取り組みも功を奏し、チームは苦境を打開した。

明るい表情を浮かべ軽めのメニューに励む徳島の選手=6月8日、徳島スポーツビレッジ

◆徳島は昇格争いに向け、上昇気流に乗れるか

前節、勝利という最も欲しかった結果を手にし、チーム内の重苦しい雰囲気も払しょくされた。湘南戦に向けた練習では、選手たちも明るい表情を浮かべていた。前節の群馬戦前、ロドリゲス監督は、悪い流れを断ち切るために、自信や勝ちたい気持ちを持って、自分たちのスタイルでプレーする重要性を訴え「課題を突破できれば、さらにチームの自信につながる」と話していた。これまで通りのスタイルを貫き、強敵の撃破を狙う湘南戦。指揮官が「上位と戦うことはモチベーションにもつながる」との言葉通り、選手たちの士気も高く、良い状態でホーム戦を迎えられそうだ。

徳島の17試合終了時の勝ち点27は、2011年の34に次ぐ2番目の数字。自動昇格圏の2位まで勝ち点差は4と好位置につけている。4位湘南との試合は今後の上位争いに向けて重要な一戦となる。

◇今季、徳島の課題となっている決定力は、前節(第17節)の2得点でやや改善した。今季は多くの試合で主導権を握り、ゴール前に迫っている。シュート数は17試合で193本とリーグ3位。ただ、得点は21で、シュート決定率は0.1088にとどまり、リーグワースト6位となっている。一方、18節で対戦する湘南はシュート184本で20得点、決定率は0.1086でワースト5位。

金沢戦で同点ゴールを決める徳島の山﨑(右)=5月17日、鳴門ポカリスエットスタジアム

(2017年6月9日)

■目指せ!ホーム平均入場者数5500人■

今季4987人

きょうのホーム試合入場者数 4342人(6月10日・湘南戦)

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