けがを克服し国際舞台へ デフリンピック陸上女子ハンマー投げ代表・村尾茉優選手(四国大)

7月18~30日にトルコで開かれる聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」に、陸上女子ハンマー投げの村尾茉優(まゆ)選手(21)=阿波市、四国大学4年=とサッカー男子に西大輔選手(18)=徳島市出身、JFLヴェルスパ大分=が初出場する。ともに初めての国際舞台で、お世話になった人たちへの感謝の気持ちを込めて、メダル獲得を目指す。

陸上女子ハンマー投げ 村尾茉優選手(21)四国大4年

自己ベスト更新を目指し、練習に汗を流す村尾選手=徳島市の生光学園

■選手生命の危機克服 感謝の気持ちを胸に自己ベスト目指す 

村尾選手は県立聾学校(現・徳島聴覚支援学校)中等部で投てきを始め、すぐに頭角を現した。高等部時代の2012年には、全国高校総体(インターハイ)の女子砲丸投げで5位入賞。特別支援学校生として大会史上初の快挙を成し遂げた。

ハンマー投げを始めたのは中等部3年の秋。参加していた投てき練習会の林英司コーチに勧められ挑戦を始めた。ほどなく日本中学記録を樹立するなど力を伸ばした。「自分の動きとハンマーの動きが合うと遠くまで投げられる。それが楽しい」と魅力を語る。

四国大に進学し順調に記録を伸ばしていたが、2年生だった15年12月、けがに襲われる。県外での合宿に参加した際、左膝前十字靱帯を断裂。競技人生に関わるほどの大けがだった。翌年に開かれる聴覚障害者の世界選手権出場への期待も高まっていたが、本格復帰までに1年近く費やすこととなり、世界の舞台は断念せざるを得なかった。

けがをした直後「今まで積み重ねてきたものがゼロになってしまう」と不安を感じた。しかし下を向かなかった。「落ち込まずに前向きにやろう」と気持ちを切り替えた。

医師や投てき練習会の指導陣たちもサポートしてくれた。慎重に復帰への道を歩ませようと、リハビリや足に負担を掛けないメニューなどを考案。共に少しずつ取り組み、再び投てきのピットに立った。

復帰に際しては「転んでまたけがをしたら」という恐怖心もあった。だが投げたい気持ちが勝った。16年秋の競技会で復帰すると、冬場の投てき練習会では日本選手権の上位入賞者がこなしたトレーニングにも取り組み、筋力もアップ。今季は5月に自己ベストの54メートル61をマークし、見事に復活を果たした。

初の国際舞台となるデフリンピックには「耳が聞こえなくても頑張ったら大きな舞台に立て、アピールできる」と意気込みを語る。聾学校時代に支えてくれた教師をはじめ、投てき練習会の指導者や先輩、けがからの復帰を後押ししてくれた人たち、手話を使って練習会でのコミュニケーションを円滑にしてくれる大学の後輩ら、応援してくれる人たちへの感謝を胸に刻んだ。あとは本番。メダル獲得には55~56メートルが必要とみられている。自己記録を更新し、多くの人に恩返しをする戦いに挑む。

ハンマー投げの村尾選手=徳島市の生光学園

村尾選手が出場する陸上の女子ハンマー投げは、7月23日に行われる。

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