災害時に注目の通信手段「ツイッター」 情報正しく発信を

九州豪雨でも活用相次ぐ

 九州豪雨で被害を受けた福岡、大分両県では5日から6日にかけ、ツイッターで救助を求めたり、被害状況を伝えたりする投稿が相次いだ。ツイッターは緊急時の通信手段として有用性があるとされるが、今回の災害では同じ内容の情報が氾濫するといった問題点も見られた。徳島県内でも同様の事態は起こり得るだけに、専門家は「事前に正しい使い方を確認して」と呼び掛けている。

九州豪雨で、ツイッター上に送られた救助を求める投稿。切実な状況が書き込まれている

「近所の家はほとんど流されてます。工場の2階に7人避難できずに取り残されてます!」。福岡県朝倉市の住民からとみられる投稿は濁流が道路を飲み込む様子を撮影した動画を添付し、被災状況を伝えた。

同市の別の住民は「人口透析中の祖母が取り残されています。一刻も早い救助をお願いします」と詳細な住所を明記して訴えた。大分県日田市でも「大人が6人、赤ちゃん1人が孤立してます」などの投稿があった。

被災状況などを伝えるツイッターの投稿は2011年の東日本大震災以降、頻繁に見られるようになった。

徳島県危機管理政策課などによると、県内では14年8月の台風11号による豪雨の際、浸水被害に遭った阿南市の加茂谷中学校に避難していた住民から「校舎が浸水している」という投稿があった。災害時に救助を要請する投稿はこれまで確認されていないという。

【救助要請】人数や場所詳しく

【救助後】結果報告し投稿削除

被災状況拡散】デマに注意

 災害のたびに、被災状況などを発信するツールとして注目を集めるツイッターだが、問題点も少なくない。

ツイッター上には、災害関連以外にもさまざまな情報が混在し、その中から必要な情報だけを確認するのは難しい。「#」を単語の頭に付けた「ハッシュタグ」を文章に付けると検索しやすくなり、今回の九州豪雨でも「#救助」などと書かれた投稿が多くあった。しかし、投稿を読んだ人がリツイート(転載)することで情報が拡散し、元の投稿者を検索しづらくなったり、同じ情報があふれたりした。

また、実際に救助された後も投稿された情報は残り続けるため、多くの人から同じ内容の119番があったり、情報自体が悪質なデマだったりして消防などの業務を妨げてしまう恐れもある。

災害時の情報発信に詳しい徳島文理大の山城新吾講師(防災教育)は、利用する際の注意点として▽救助を受けた投稿者は必ず結果を報告し、救助要請した投稿を消去する▽救助を求める場合、場所や人数、けが人の有無、現場の状況などできる限り詳細な情報を投稿する▽デマや不確実な情報などを投稿しない―を挙げる。

行政サービスを活用するのも有効だ。会員制交流サイト(SNS)機能のある徳島県の「すだちくんメール」は、災害情報を投稿すれば家族や友人らで共有できるほか、救助を要請する投稿をする場合、被害状況のほか、自分がいる場所を地図入りで全登録者に公開することができる。投稿は県内の全市町村や消防が確認しており、速やかな救助に結び付く可能性がある。

山城講師は「緊急時の通信手段としてツイッターなどの役割は大きくなっている。行政サービスと併用し、災害時に備えてほしい」と話している。

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