徳島市の吉野川橋から少し西の吉野川上空を、カモの群れが優雅に舞っていた。それまで砂州で翼を休めていたが、えさ場へ移動するためか、西の方へ一斉に飛び立っていった。 カモは、ガンカモ目ガンカモ科の水鳥。北半球の温帯から亜寒帯にかけて広く分布し日本には冬を越すためにやってくる。マガモ、カルガモ、オナガガモ、コガモなど多くの種類があり、大きさはマガモで体長五十-六十センチ、翼長八十五-九十五センチ。コガモやヒドリガモはやや小さい。 欧米では高級料理の材料だが、日本でも江戸時代からそばに入れる「かもなんばん」、ネギと一緒に煮る「かもなべ」などとして庶民のごちそうになってきた。アヒルはマガモを改良したもの。ちなみにカモとアヒルを掛け合わせたのがアイガモだ。 日本野鳥の会県支部によると、吉野川下流には多い日で千五百羽ほどのカモがいる。県内全体では一九九七(平成九)年で一万九千羽余りが確認されたが、四年前に比べ千七百羽ほど少ないなど、その数は減少傾向にある。
カモは雑食性だが、川や用水がコンクリート三方張りになり、えさの水草や雑草が減った。水田も冬場は水を抜く構造に変わった。カモにとってえさ場は少なくなる一方で、ハクサイなどの野菜を狙って畑に来る群れも増えているという。 同支部長の曽良寛武さん(54)=徳島市上八万町星河内=は「えさ場の環境変化が飛来数に影響している可能性が強い。特に河川をすべてコンクリートで覆う今の工事のやり方を改めなければ、カモの生息場所はますます減る」とみている。(2000年2月21日掲載) |