クサリサンゴ

卵型のものが鎖状に 

 鹿児島県奄美大島の東方約二十五キロにある喜界島は、周囲四十八キロ、人口九千人あまり。サンゴの死がいでできた台地状の隆起サンゴ礁の島だ。

木沢村坂洲で見つかった化石。薄く網の目のように見えるのがクサリサンゴ(徳島化石研究会提供)

 クサリサンゴは、古生代オルドビス紀後半からシルル紀(約四億五千万年前-約四億一千万年前)に繁栄。世界中に広がってサンゴ礁の主要な構成物になった。直径一ミリほどの卵型をしたサンゴが鎖状に連なり、サンゴの群体をつくるのでこの名前がついた。

 写真のクサリサンゴは木沢村坂州の標高五百メートル地点のシルル紀石灰岩に含まれていた。九州、四国、紀伊半島、東北地方の北上山地のシルル紀石灰岩からクサリサンゴの化石が見つかる。

 サンゴ礁は、地球の環境変動を記録している。氷期には、海水面が百メートル以上下がる。その間に露出部分のサンゴが死滅し、氷期が終わると、海水面が上昇してサンゴも上方に成長する。現在は「定常期」と言われ、今の海水面の高さは約五千年続いている。

 サンゴが地球全体の炭素循環の主役、と言う研究者もいる。サンゴが増えると、二酸化炭素を吸収し地球が寒冷化する。その結果、海水面が下がり、多くのサンゴが死滅。サンゴが減ると二酸化炭素が増え、地球温暖化が起こり、海水面が上昇する。その繰り返しで地球環境の平衡を保つ役割を演じてきたと言うのだ。地球温暖化を防ぐカギはこの辺りにあるのかもしれない。(おわり)

(2002年1月21日付)