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徳島市の渋野小学校は、本年度から通学路沿いの用水や校舎脇の湿地の生態調査を始めた。身近な環境を教育に生かす試みだ。
調査名は「渋野小ウエットランドリサーチ」。一、二年生は生活科、三年生以上は理科や総合学習の時間を使い、全校二百十二人で取り組んだ。季節ごとに二、三回、学校の周りを歩き、虫や魚を捕獲して観察、終われば自然に返す。
学校は田畑に囲まれ、自然も多く残っている。「春の七草を近くで見つけたり、校舎の中にトンボやバッタが入ってきたりと、にぎやかですよ」と話すのは、六年生を担任する木村善行教諭(50)。
ある環境教育の専門家から「湿地に隣接している学校は全国でも多くない」と教えられたことがヒントとなり、「いつもなら通り過ぎて気付かないような場所を見直して、発見につなげてもらいたい」と、調査を始めることにした。
九、十月には二回にわたって県のビオトープ・アドバイザーに来てもらい、六年生三十二人が指導を受けた。児童らは、県内では少なくなったシソ科植物のイヌゴマや外来種の水草であるオオカナダモ、植生豊かな池や沼にすむチョウトンボなどが水辺に生息しているのを発見。一人一人が異なる生物について、図鑑やインターネットで調べ、四つ切り画用紙にまとめた。
中野泉帆(みずほ)さん(12)は「在来種と外来種を見分けられるようになったし、増えすぎたら困る種類があることを知って勉強になった」と調査の成果を話す。
用水や湿地とのかかわりは、学校が従来行っている活動にも反映された。丈六町更生保護女性会の協力で、二〇〇六年度から行っている地域清掃の範囲が、通学路の路上から用水の中にまで広がった。こうした清掃や湿地観察の様子は「環境」をテーマに各学年の活動を紹介するカレンダーになり、全校児童に配布することが決定されている。
現在は一年間の調査内容を踏まえ、新年度以降の活動を検討しているところだ。ホームページやウエットランドマップ作成といった取り組みも視野に入れているという。
◎生き物の増加に期待
清掃活動に協力する丈六町更生保護女性会の寺西安子会長(77)=徳島市丈六町長尾 水辺をきれいに保っていればポイ捨ても少なくなり、生物も増えてくることだろう。子どもとのかかわりを持ちながら、今後も活動に協力していきたい。
《徳島県ビオトープ・アドバイザー》野生生物の生息空間となるビオトープの保全や創造に、専門的な立場から指導・助言する。県知事が委嘱し、活動に取り組む地域や団体に無料で派遣。2002年度から始まり、09年2月現在17人が登録されている。【写真説明】学校に隣接する湿地で植物を調査する渋野小児童ら(同校提供)